Snapchatの魅力、オジサンに理解できるか 30代以上には理解不能?
米国では、10〜20代に人気が集中する写真共有プラットフォーム「Snapchat(スナップチャット)」が、広告媒体として不可欠な存在になりつつある。同社は、2015年9月までの3カ月間で、アプリ内における動画視聴数を倍増させ、40億ビュー/日を達成したと明らかにしたばかりだ。そんななか、エージェンシー(広告代理店)たちは、「Snapchat」を理解しようと、躍起になっている。
「Snapchat」は、短文・画像・動画を共有した後、短時間のうちに消えるタテ型画面のアプリ。メッセージを受けて再生したら、すぐに内容が失われてしまうという独特のUIが人気だ。最近は24時間消えない共有の「ストーリーズ機能」や、コンテンツ配信チャンネル「ディスカバリー」が加わり、総合的なプラットフォームへと成長した。デイリー・アクティブ・ユーザー(DAU)は、1億に達している。
その一方、ティーンエージャーに圧倒的な人気があるアプリのため、すでに社会人となっている世代には、なじみが薄い。あるエージェンシーは、その攻略を熱心なユーザーである若い従業員に託して、社内の専門家になってもらおうと画策した。しかし、「Snapchat」と直接契約している、Huge(ヒュージ)やBBDO、Havas(ハヴァス)のようなエージェンシーは、状況が異なる。社員一丸となって、精通すべき新しいクリエイティブのチャンネルとして扱いはじめたのだ。
「Snapchat」理解のため「夏期講習」
今までにないユーザー体験をもった「Snapchat」は、利用することでのみ理解を深めることができる。ニューヨーク・ブルックリンに本社をもつヒュージが「Snapchat」研修を従業員に課す理由も、そこにある。同社は今年の夏を「Snapchatに完全に対応するためのシーズン」だと位置付け、社内研修「夏の飛躍の日」に「Snapchat」講習を組み込んだ。また、ヒュージの「Snapchat」のアカウントで、休日の様子を投稿することを奨励した。
ハヴァスでも、同様の取り組みをしている。アプリ内で全米オープンゴルフの無料チケットを入手できる社内イベント「『Snapchat』トレジャーハント(宝探し)」を開催したのだ。