発達障害の子どもには「できることはやらせる、選ばせる」ことが重要。"決める力"がつけば、保護者の負担も減っていく

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

特性を持つ子どもは、特定の分野に強い興味や集中力を示すことが多い傾向があります。例えば、電車が好きな子どもが路線図を暗記するだけでなく、それをきっかけに地理や数学に興味を広げることもあります。

このように、1つの興味が他の分野の学びへと発展するきっかけとなる可能性もあるのです。

好きなことに取り組む時間は、どの子どもにとっても楽しくストレスの少ない体験ですが、特性がある子どもは驚異的な集中力を発揮して取り組むことがあります。脳がよく働いている状態でもあることでしょう。

なので、子どもがやってみたいこと・好きなことをたくさんやらせると、そのために必要な他のことを自ら習得する意欲につながり、総合的に体の能力や学びの内容が上がっていったという事例が多く報告されています。

特に思考が強いASDタイプの場合は、苦手なことは無理強いせず、得意なことは好きなだけやらせると、達成感や成果を得られることで自尊心も上がっていくことが指摘されています。

子どもにできることはやらせる、選ばせる

発達障害の子どもを育てる中で、保護者が子どもの世話に深く関わるのはよくあること。ただし、子どもの特性を見据えた上で、サポートの手を入れるところと、子ども自身にやらせてみるところを、区別して考えることが大切です。

例えば、保護者が子どもの身支度をすべて手伝うことが習慣になると、特に特性を持つ子どもは、自分でできることがわからなくなります。

また、不安が強い子どもの場合、手伝うことが当たり前になると、自分でできそうなことにも強い不安を持つようになる場合があります。

そこで、大きな目標をいくつかの小さな目標に分解するような形で、子どもにできることを少しずつ任せてみると、子どもは成功体験を積み重ねやすくなります。

子どもが宿題で悩んでいる場合、答えを全部教えるのが適切なサポートではないと思います。

次ページ子どもに「選ばせること」
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事