昭和は御法度で、令和は推奨? 激変する「社内恋愛」事情…ノジマの“NOJIKON”などに見る、企業主導の社内婚活イベントの狙いとは
世間的には減少傾向にある社内結婚。一方、社内結婚を増やそうという企業の動き。今後はどうなるのでしょうか。複数の人事部門担当者にヒアリングしたところ、社内恋愛・社内結婚への人事部門の関与には否定的な見解が多く聞かれました。
「社内恋愛からうまくゴールインしてくれればよいですが、破談したらお互い職場に居づらくなります。また、上司と部下が恋愛関係になったら、人事部門としても異動など対応を余儀なくされます。社内恋愛・社内結婚は、我々にとって余計な仕事が増えるだけです」(輸送機メーカー・O氏)
「過去に社内恋愛でセクハラとパワハラが絡む法的トラブルが発生し、人事部門はすったもんだしました。このトラウマもあって、当社では社内恋愛は今も“暗黙の禁止”です。他社のことながら、『ノジマさんはよくやるなぁ』と率直に思ってしまいます」(小売業・K氏)
社員にはとにかく結婚してほしい!?
ここで、長く機械メーカーの人事部門で働いているH氏から、「社内でも社外でもよいから、社員にはとにかく結婚してほしいというのが、昔も今も変わらぬ人事部門の願いです」という興味深いコメントがありました。
「当社では、同じ年代の独身者と既婚者で、離職率に数倍の開きがあります。やはり結婚して家庭という重しができると、簡単に転職しなくなります。責任感が増して、勤務態度もよくなります。会社としては社員が結婚しやすくなるように、賃上げや福利厚生の充実など手を打つべきでしょう」
もし、O氏・K氏の言う通り社内恋愛は人事部門にとって手間がかかり、トラブルを招きやすく、H氏の言う通り「社員にはとにかく結婚してほしい」なら、むしろ社外恋愛・社外結婚を促すように人事部門は手を打つべきでしょう。
Aill(エール)が2021年にリリースした「Aill goen」(エールゴエン)は、同社の審査を通った企業が自社の社員を他社の社員に紹介するというマッチングアプリです。NTTグループやりそなホールディングスなど1414社が「Aill goen」を導入しています(2025年3月末現在)。
今後、日本企業では、社内恋愛・社内結婚はますます減り、「Aill goen」のようなマッチングサービスや自治体が開催するイベントなどを活用して社外恋愛・社外結婚を促すようになると筆者は予想します。
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