ゲームの制作や、サウンド作品の制作…お堅い学問だけではない!「東大の授業」はこんなにも面白かった
制作の対象は主に「映像」と「ビデオゲーム」の2種類で、「映像」のほうではカット割の分析方法と、道具から効果音を創る方法を教わります。「ビデオゲーム」のほうでは、実際のゲームの効果音やBGMを分析しながら、PCソフトを使って作曲をする方法を教わります。
1年生の時に、この「サウンドデザイン入門」を受講していた東大生から、「ビデオゲーム」のゲスト講師から「ダイエジェティック」という概念を学んだという話を聞きました。ダイエジェティックサウンドとは、物語の場で実際に流れている音、その作品世界の中にある音を意味します。反対に、作品世界には存在しない音をノンダイエジェティックサウンドといいます。
その東大生の受講当時は、ちょうど『ゼルダの伝説』の新作がリリースされた頃だったそうです。講義では実際に『ゼルダの伝説』のプレイ映像を見ながら、「敵の鳴き声や攻撃音はゲーム内の操作キャラにも聞こえているはずだが、ステージのBGMはどうか? 武器を変更した時の効果音は? メニュー画面を開く時の音は?」と、その音がゲーム内部のキャラクターにも聞こえているのか、というある種の哲学的な問いを考えたのだそうです。
クリエイティブな授業が行われている
この講義は、ほかの講義のように試験やレポートによる評価ではなく、「オリジナルのサウンド作品を制作する」という最終課題の出来によって評価されます。
「映像」の課題では実際になんらかの映像を撮影・編集したうえでサウンドを制作することになり、「ビデオゲーム」の課題ではビデオゲームの無音のプレイ映像があらかじめ与えられ、それにゲームBGMとサウンドを付け足すことになります。
話を聞いた東大生は、『メタルギア2』というゲームのプレイ映像を与えられたそうです。ゲームの雰囲気や世界観、ストーリーを理解したうえで、それに沿うようなサウンドを考えることが求められます。
このように、東大では意外とクリエイティブな授業が行われているのです。しかも、ちゃんとその道の専門家を講師として招聘し、東大生たちも真剣に制作に取り組みます。
机の上の勉強だけではない、多様な経験を積むこと。それが、東大が学生に期待していることなのかもしれません。
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