ゲームの制作や、サウンド作品の制作…お堅い学問だけではない!「東大の授業」はこんなにも面白かった
また別の回では、ゲームメーカーの勢力の変遷についての講義もありました。ゲーム市場が盛り上がりを見せた20世紀後半から21世紀前半にかけて、どのようなビッグタイトルが存在し、どのメーカーが覇権を握ってきたかについての講義です。「セガ」や「任天堂」などの聞き慣れた名前が、東大の真面目な講義で語られていると思うと、なんだかギャップがあって面白くないですか?
ほかにも、『パックマン』や『インベーダーゲーム』などのゲームがかつてどれだけ世界に影響を与え、どのようにしてほかのゲームに道を譲ることになったのかなどを、これまた大真面目に学びます。
ゲーム開発の歴史を学んだうえで現代のゲームを見てみると、21世紀前半は「どれだけ技術的な革新をできるか」が各社のゲーム開発のキーポイントでした。
ハードウェアで行うゲームは音、視覚、触覚など多くの感覚を使うため、より解像度をあげてリアルに近い体験を提供できるデバイスを作り上げることに多くの熱量が注がれています。そういう背景がわかると、日頃から遊んでいる身近なゲームでも見方が変わってきます。
また、ゲームデザイン論の後半6回の講義では、グループに分かれて実際にオリジナルのゲームを制作します。制作といっても、プログラミングをするというわけではなく、ゲームのコンセプトやルール、見た目のデザイン、マーケティングまでの企画案を練るのです。
そこで、前半の講義で得た知識が役に立つわけです。ゲーム開発の歴史を知り、先人たちの取り組みを理解することが、新しい創造につながっていくことを学生たちは肌身で実感します。
サウンドクリエイターから教わる授業
東大には、ゲーム以外にもクリエイティブな講義がほかにもあります。
「サウンドデザイン入門」という講義では、第一線のサウンドクリエイターから教わって実際に音を作ることがゴールになります。学問を学び研究するというよりは、実習を通してクリエイターとしての知見を得ることを最重要視している講義だといえます。
ここでいう「サウンド」とは、単に音楽のみならず、効果音や雑音といった「音」全般を対象としています。世界には、テレビやゲームのBGMや効果音、車が走る音、鳥の鳴く声、雨の音、木々が風に揺れて擦れる音など、さまざまなサウンドであふれかえっています。そんな音にあふれる世界の中で、自分たちで音を作り出すことの意義や方法を学びます。
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