「新排出ガス規制で消えゆく50cc以下のバイク」はじめて新基準原付に対応したホンダ「スーパーカブ110ライト コンセプト」に見る今後の行方
国内メーカーには、ほかにも、カワサキモータース(以下、カワサキ)もある。だが、カワサキの場合、そもそもスクーターなど50ccバイクのラインナップを従来持たないし、新たに新基準原付をリリースするといったアナウンスもない。そのため、今のところ、新基準原付への対応を公言しているのは、国内シェア1位のホンダだけということとなる。
原付一種の動向と今後の行方

おそらく、他メーカーは、市場ニーズなどの状況を見ているのだろう。その背景には、原付一種の新車需要が年々減少の一途をたどっていたことが関係していそうだ。日本自動車工業会によると、二輪車の国内販売台数は、バイクブームだった1980年に235万6744台を記録。そのうち、50cc以下の原付一種は、販売台数197万8426台で全体の80%以上を占めていた。
それが2023年では、全体の販売台数が40万5216台に縮小。なかでも、50cc以下の原付一種は9万2824台で、全体に占める割合も約22%にとどまっている。約40年前には、バイク市場をけん引した立役者といえる原付一種は、近年すっかり売れなくなり、メーカーとしても「儲からない」ジャンルになってしまったのだ。

そうした背景もあり、メーカーとしては、50ccバイクのかわりとなる110ccや125ccの新基準原付に関し、どれだけ市場のニーズがあり、どの程度の収益を見込めるのかがわからない限り、出しづらいのはたしかだろう。ただし、125ccや110ccといった排気量のバイク自体は、需要増が続くアジア市場などでも販売できるグローバルモデルだ。日本特有の排気量といえる今までの50ccよりは、収益を見込みやすくなるはずだ。
かつてほど新車は売れないものの、それでも原付一種は、日本自動車工業会のデータによれば、2023年3月末現在、全国で430万台以上の保有台数を誇っている。依然として多くの人々が利用する移動手段のひとつなのだ。その代替となる新基準原付について、今後、ホンダをはじめとする国内メーカーが、どういった対応を行うのかが気になるところだ。
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