ほっかほっか亭《ライス販売停止》のウソ投稿…「米不足なのに不謹慎すぎ」「そもそも面白くない」の批判多数も、“意外と失敗ではない”理由

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ついでながら、エイプリルフール投稿と同日に、同社から「とりめし焼きそば弁当」が発売されているのだが、「こっちもエイプリルフールか?」とSNSでツッコミを受けていた。

ほっかほっか亭がどこまで計算してやっているのかは不明なのだが、少なくとも結果を見る限り、「うまく話題になった」と言えるのではないだろうか?

ほっかほっか亭
こちらは「本当」(画像:「ほっかほっか亭」公式Xより)

「ドデカイ ウソ」をつきとおしたら…

昨年2024年の事例なのだが、日本郵政がエイプリルフールに美容フェイスパック「潤い速達 ゆうぱっく」を発売すると投稿して、7万件以上の「いいね」を獲得した。そして今年のエイプリルフールには、その商品を実現化させ、数量限定の非売品として配布することを発表し、大きな話題を集めるに至っている。

日本郵政
2024年に話題となった日本郵政のエイプリルフールネタ(画像:「日本郵政」公式Xより)

海外の有名なエイプリルフールネタとして、ニュージーランドBMWの事例を紹介しよう。同社は2015年4月1日「ディーラーに来店し、最初にトムさんに話しかけた人に、あなたの車をBMWの新車と交換します」という新聞広告を掲載した。

多くの人はウソだと思って何もしなかったが、信用してディーラーを最初に訪問した人に、本当に新車がプレゼントされた。その一連の様子がYouTubeで公開され、BMWの粋なサプライズが賞賛を集めるに至った。

THE BLUE HEARTSの曲『泣かないで恋人よ』の歌詞に、「ドデカイ ウソをつきとおすなら それは本当になる 」というくだりがある。

小さなウソをつくと叩かれて、大きなウソをつくほどの余裕もない現在の日本社会は、なんて窮屈なのだろう。せめてエイプリルフールくらいは、気軽にウソをつけるようになりたいものだと思う。

西山 守 マーケティングコンサルタント、桜美林大学ビジネスマネジメント学群准教授

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にしやま まもる / Mamoru Nishiyama

1971年、鳥取県生まれ。大手広告会社に19年勤務。その後、マーケティングコンサルタントとして独立。2021年4月より桜美林大学ビジネスマネジメント学群准教授に就任。「東洋経済オンラインアワード2023」ニューウェーブ賞受賞。テレビ出演、メディア取材多数。著書に単著『話題を生み出す「しくみ」のつくり方』(宣伝会議)、共著『炎上に負けないクチコミ活用マーケティング』(彩流社)などがある。

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