「バズる」=「お金が稼げる」。一方で“リスク”や”弊害”を理解していますか?有名になることには覚悟がいる

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SNSを活用する女性
有名になることはお金を稼ぐことに直結する。一方で、危険を引き寄せる可能性も秘めている(写真:metamorworks/PIXTA)
“バズること”が“お金を稼ぐこと”につながる現代社会。SNSでは多くのインフルエンサーが活躍する一方、凶悪事件の発生で「有名になること」のさまざまなリスクも浮き彫りになっている。
※本稿は『きみに冷笑は似合わない。』から一部抜粋・編集したものです。

アテンションが通貨のように取引される時代

現代において、有名になることは、精神的に気持ちいいだけでなく、お金を稼ぐことに直結する。60年近く前に、ノーベル経済学賞を受賞したハーバート・サイモンが予言したとおり、“情報経済において「アテンション(関心)」が通貨のように取引される”時代が来たのだ。

ユーザーが集まって何かのコンテンツを見ると、広告売上という形でそこに報酬が発生する。YouTubeの動画は再生数に応じて売上が上がるし、Twitter(現X)にもリワードプログラムがある。この事象は“アテンションエコノミー”とも呼ばれる。情報的価値ではなく、そこにアテンション、すなわち注目が集まるかどうかで金銭的価値が定まるような経済圏である。

そこにおいては情報の中身というものは問われないわけで、極論ニュースの中身がまるっきりの嘘、すなわちフェイクであったり、下世話な炎上ネタであったり、あるいは分断をあおる感情的な記事であったりしても、心にひっかかるかどうかで、その情報の経済的価値が決まってしまう。SNS上での情報は、その内容が本質的に大事かに関係なく、どれくらいバズるかによって経済的価値が決まるということだ。

もしあなたが、このアテンションエコノミーに身を投じたいのなら、止めはしない。フェイクニュースなどの有害な情報を流すのは論外ではあるが、まっとうに人気者になってお金を稼ぐことに、なんの問題があろう。

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