「私だけ扱いが雑」「いつも損ばかりしている」のはなぜ? 《愛されるよりも恐れられよ》実業家が導き出した“なめられる人”の共通点
3カ月後、「できました」と連絡を受けて見せられたサイトを見て、私は椅子から転げ落ちるほど驚いた。
……悪い意味でである。
こちらのお願いした要件とはかけ離れた出来栄えになっていたのだ。
たとえば「背景は黒で文字は白」とお願いしていたのに、「背景は透明感のある淡い白を基調とし、文字は高級感のある黒色を採用しました」と説明が書かれていた。いろいろと言い訳がましく書かれていたが、素人目に見ても、背景が白、文字が黒という初期設定のままだった。
その他、お願いしていた機能がことごとく無視され、他社で使っていたであろう機能の流用も散見された。今なら、ワードプレスの5000円くらいで買えるテンプレートテーマ以下の出来栄えだった。
あまりにひどすぎると感じ、お願いしていた通りに作ってほしいと頼んだところ、「それでは作り直しにさらに30万円をいただきます」と言われて絶望した。
自分はウェブ制作の素人で、技術的なことはわからない。でも、完成イメージはしっかり伝えていたし、イメージとかけ離れていたものを出されても到底納得できるわけがない。
しかし、当時は自分も若かった。話が違うと相手と交渉する力もなく、泣き寝入りするしかなかった。結局、独学をして自分でウェブ制作をした。
おだてられる人も付け込まれる
また別のエピソードを紹介したい。
始めた事業が曲がりにも軌道に乗り出したある時、テレビ番組から出演の声がかかったのだ。
テレビ制作会社から「番組の企画について」と電話連絡が入った。そして、「あの◯◯の有名番組に出演いただくことになりそうです。出演料は◯◯で……」という話をされた。
喜び有頂天になってしまった私は、ホイホイと自分が知っている情報をペラペラとしゃべった。相手も、とにかく自分をおだててくる。「いやあ、さすが専門家の深い知見で素晴らしい」と。自分はますます調子に乗ってペラペラと1時間、2時間と話し続けた。