国民人気はもはや"第1党"、地方選でも快進撃の「国民民主党」を縛る"足かせ"の正体

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要するに表面から見える党勢に追いつかない実態があるわけだが、実際に「問題」が表面化した選挙区もある。国民民主党が3月6日に元NHK記者の小林さやか氏を次期参院選の選挙区候補として公認した千葉県だ。

3人区の参院千葉県選挙区は2013年以来、自民党が2議席で立憲民主党が1議席というように、自民党優位の与野党のすみ分けが行われてきた。しかし自民党は2023年末から「政治とカネ」問題にあえいでおり、「10万円商品券」問題を抱える石破政権も支持率が急降下。これまでの与野党すみ分けのバランスは大きく崩れ、支持率急伸の国民民主党が入る余地は十分にあるはずだった。

ところが千葉県連内でのパワハラ問題が発生し、昨年夏から4人の県議や市議が離党したことが表面化。これに対して国民民主党は、円より子衆院議員を座長とする、倫理委員会とハラスメント対策委員会の合同委員会の設置を決定し、関係者へのヒアリングを行っている。

小沢一郎氏「政権を狙わない政党は続かない」

そもそもは昨年の衆院選で候補者をなんとか当選させようと無理強いしたことが原因のようだが、ここでも政党の人気と実力のアンバランスさが見て取れる。ガバナンスの欠如も頭が痛い問題だ。これでは「チームワークの良さ」という国民民主党のイメージが崩れかねない。

そうした情景を眺めたうえでということだろう。立憲民主党の小沢一郎・総合選挙対策本部長代行は3月25日、「国民民主党には勢いがあるということだけど、そろそろ峠だ」と記者団に話した。「政権をきちんと狙わない政党は続かない」というのがその理由のようだが、玉木氏としては「現状としては、狙いたくても狙えない」のが本音ではないか。

与党の一部からは「玉木首班説」も聞こえてくる。しかし「石破降ろし」の発火点としてそれが流されているのなら、どんなに低支持率であっても石破茂首相への辞任要求が国民から強く出てこない限り、政局のネタの域を出ないだろう。

仮に「玉木首相」が誕生するとしても、これからさらにふた山以上を越えなくてはいけないということか。

安積 明子 ジャーナリスト

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あづみ あきこ / Akiko Azumi

兵庫県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。1994年国会議員政策担当秘書資格試験合格。参院議員の政策担当秘書として勤務の後、各媒体でコラムを執筆し、テレビ・ラジオで政治についても解説。取材の対象は自公から共産党まで幅広く、フリーランスにも開放されている金曜日午後の官房長官会見には必ず参加する。2016年に『野党共闘(泣)。』、2017年12月には『"小池"にはまって、さあ大変!「希望の党」の凋落と突然の代表辞任』(以上ワニブックスPLUS新書)を上梓。

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