文京区立小学校の「3S1K」に中国人が殺到するワケ、彼らは中国に住んでいたときと同じ思考回路で動いている

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筆者の友人で、子どもの教育に関する情報交換を行うウィーチャットグループに入っている40代の中国人男性に「文京区の中国人児童」について話を聞いてみると、「3S1Kは確かに人気ですね。私が入っているグループ内はとくに『鶏娃(ジーワー)』(教育熱心な親)が多いのですが、わざわざ3S1Kなど文京区の公立小学校に子どもを入学させるため、別の区から引っ越した人が数人います。文京区は教育環境がいいからというのが理由です」

日本人の間でも、いい公立小に子どもを通わせるため、わざわざ引っ越しをする「公立小移民」と呼ばれる人々が増えているが、中国人も同様だ。子どもをインターナショナル幼稚園に通わせている30代の男性にも聞いてみると、「葛飾区から文京区に、4~5歳の子どもを連れて引っ越した知人がいました。やはり教育環境がよい学区だからと話していました」と語る。

「一種のステータス」

子どもを3S1Kに通わせているという人には出会わなかったが、誠之小学校から近い柳町小学校に子どもを通わせているという中国人女性に話を聞くことができた。

「在日中国人がよく使うウィーチャットで文京区の評判を聞きつけて引っ越しました。文京区がいい理由は、第1に、目標とする東京大学やお茶の水女子大学、東京科学大学(旧東京医科歯科大学)など名門校があること、第2に保護者たちの教育レベルが高く、所得も高く、よい刺激を親も子も受けられるからです」

「ほかにも、文化水準が高い、治安がいい、都心のどこに行くにもアクセスがよく、生活も便利というのが理由。うちは残念ながら、3S1Kの学区内に不動産を買えなかったのですが、文京区に住んでいるというと、在日中国人の間では一目置かれ、うらやましがられます。一種のステータスですね」

徒歩圏内に東京大学の本郷キャンパスがある(写真:trikehawks / PIXTA)

文京区教育委員会の担当者に聞いてみると「3S1Kは区立なので、他の小学校と同じ学習指導要領に沿って、同じ教科書、同じカリキュラムで授業をしている。先生方も東京都で採用しているので、他地区への異動もあり、どの学校が特別とは言えない」と困惑ぎみだ。

しかし、東京都教育委員会が毎年発表する「公立学校統計調査報告書」(2024年10月発行)を見ると、2023年に都内の公立小を卒業し、都内の私立中学に進学した割合は約2割だが、とくに私立への進学率が約5割と突出して高かったのが文京区で、教育熱が高い保護者が多い自治体であることは裏付けられている。

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