文京区立小学校「3S1K」を狙った中国人の日本移住が増える理由とは? 中国における壮絶な受験戦争から逃げ出す人たちの終着点

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<第3回>「いい学校といえば公立でしょ」「子どもたちを伸び伸びと育てたい」…文京区「3S1K」の次に中国人が狙うのはどこか(会員限定)
一部の在日中国人の間で、東京都文京区にある3S1Kと呼ばれる有名公立小学校が人気となっている。文京区の2024年の外国籍の児童数は2019年と比較して2倍以上に増加しており、その半数以上が中国籍と見られる。彼らはなぜそこまで教育熱心なのか。背景には母国・中国の学区事情や厳しすぎる受験競争がある。
厳しすぎる中国の受験競争
北京市北西部に位置する海淀区。この地区にある有名公立の北京大学付属小学校を卒業し、現在30代になる王玲さん(仮名)は、父親が北京大学の関係者で海淀区に自宅があった。そのため、「私は自動的に名門小学校に入学することができ、そのまま学区内の有名中学、高校で学び、北京大学に進学することができました。幼い頃、中国国内で最もよいといわれる教育環境で学べたのは本当にラッキーでした」と語る。

海淀区には名門の北京大学、清華大学などがあり、東京でいえば、東京大学がある文京区のイメージに近い。王さんの小学校時代の友人の保護者は教育関係者、IT企業の会社員や役員、公務員、経営者などエリート層が多かったが、中にはたまたまその学区に自宅があるので通っていたという人もいた。
中国も日本同様、学区制をとっており、公立の小中学校の場合、自宅がある学区に入学するのが一般的だ。入学試験はなく、学費も無料。だが、そのうちの一部は重点小中学校と呼ばれており、公立でありながら、政府から多くの資金が投入され、設備が充実し、質の高い教師が配属されるなど、一般の公立小中学校とは区別されている。
日本の公立小と異なり、教師の異動は少なく、まるで私立のような雰囲気を漂わせている学校もある。朝夕には、保護者が高級車で我が子を校門前まで送迎するシーンがよく見られる。前述の王さんが通っていた学校もそのひとつだ。一部の教育熱心な中国人はそうした重点小に我が子を入学させるため、その地区への転居を必死で試みる学区争奪戦を繰り広げている。
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