〈異常事態〉損害保険大手4社に業務改善命令で「1年余りで3度の行政処分」、金融庁に出直しを誓った後も「情報漏洩」を続けていた
そもそも大手4社は、保険料カルテル問題で2023年12月に金融庁から業務改善命令を受けたほか、2024年10月には公正取引委員会からも排除措置命令と課徴金納付命令を受けている。
1年余りで3度にもわたって、4社がそろって行政処分を受けるというまさに異常事態だ。
損保ジャパンにいたっては、旧ビッグモーターによる保険金不正請求問題をめぐる行政処分も受けており、1年余りで実に4度目となる処分だ。
カルテルによる行政処分では、大手4社がそろって業務プロセスや組織の抜本改革を業務改善計画の中で打ち出していた。そうして出直しを誓った後にも、各社は変わらず情報漏洩をしていた。
頭を下げる裏側で、不正行為を続けていた
表向きは頭を下げ、威勢よく改革プランを示しておきながら、その裏側では不正行為を続ける。そうした大手4社の行状に対して、拳を握り締める金融庁の職員は少なくなかった。
金融庁の不興を買う行為はそれだけではない。
ある損保では、情報漏洩問題の真因分析すらまともにできていない段階にもかかわらず、まな板の上のコイ状態が長く続くことを嫌がり、「早く処分を出してくれ」と言わんばかりの立ち居振る舞いに終始。
別の損保では、金融庁を訪問した後、庁内の廊下やエレベーターで金融庁職員に対して悪態をつくような発言を繰り返しているところを、マスコミに目撃されている。
面従腹背を続ける大手損保に対して、金融庁は今回、定期的に提出させている業務改善計画について抜本的な見直しを要求。さらに、計画の再策定と実施にあたっては、外部の専門家によるレビューを義務付けるという極めて異例の対応を求めている。

今回の情報漏洩問題に関する処分は、顧客情報の漏洩に焦点を絞っている。そのため、捜査当局や公正取引員会に損保社員が相次いで公益通報している、競合他社の引受基準規定集といった機密情報の入手行為については精査できていない。
金融庁の行き場のない怒りが、捜査当局などを刺激することになれば、今後さらなる処分につながる可能性がありそうだ。
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