新人教育や評価もAIにお任せの時代? 「上司よりAIから評価してもらいたい」と考える部下も AI時代にも無くならない「上司力」を考える

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まず(1)の「評価確認力」についてだ。人事考課が今後AIによる評価に移り変わっていったとしても、その評価そのものが妥当かどうかを判断するのは上司の仕事。何より大事なのは最終的な責任を負うことだ。

「ある一部分でAIの評価は正しい。しかし、私はこのように考える」

このように、きちんと説明できなければならない。そのためにも普段からAIに依存しすぎない「洞察力」を磨き続けるべきだ。

「AIがどう言おうとも、私は君を高く評価する」

と言えるかどうか。正当な根拠なしに評価してはならないが、AIが正しいのかどうかを判断できるだけの「評価確認力」は、常に持っていたい。

次に(2)の「フィードバック力」だ。AIの評価を参考に、正しくフィードバックできなければ上司として失格だろう。

「お客様に対する電話対応のスコアが低い。メールの内容、返信率も平均以下だ。どこに問題があるんだろう?」

「君の強みは実際にお客様と会って仲良くなれることだ。メールの返信率は、それほど気にすることない」

高い評価でも低い評価でも、丁寧にフィードバックを行うのだ。

最後に(3)の「モチベーショナルリーダーシップ」だ。どんなにAIが素晴らしい育成をしても、マネジャー自らが部下のモチベーションを向上させなければならない。

「へえ、AIにこんなに評価されてるんだ。やるじゃないか」

「AIに評価されるコツでもあるのか?」

AIに承認されても、上司が無関心であれば、部下のモチベーションは上がらない。

AIはあくまでも高機能な道具に過ぎない

AIはこれから一層進化していくだろう。人材教育に携わる我々としても、AIを活用した教育方法を学び続ける必要がある。

しかし責任者として最終的に評価やフィードバックをするのは、上司・マネジャーであることを忘れてはならない。部下を育て、成長させることこそが上司の責務。AIはあくまでも高機能な道具に過ぎない。

横山 信弘 アタックス・セールス・アソシエイツ 代表取締役社長

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よこやま・のぶひろ / Nobuhiro Yokoyama

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。『絶対達成マインドのつくり方』『絶対達成バイブル』など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。近著に『トップコンサルタントの「戦略的」勉強法』。

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