
スライディングフィンガー・フォロワーは、軽量化ができ、吸排気バルブのリフト量が多くなり、パワーが上がることが一般的なメリットとされる。フェラーリではさらに摩擦係数を減らして機械効率を上げる目的で「ダイヤモンド・ライク・カーボン加工」を施している。
そんなスライディングフィンガー・フォロワーは、「イコナ(Icona)」シリーズや「812コンペティチオーネA」などで試してきたテクノロジーだが、いよいよ量産エンジン(量産といってもうんと数が限られているが)に採用された。
ポルトガルでの試乗



リスボン郊外にメディアを集めて開いた説明会の席上では、このエンジンを含むパワートレインと、足まわりと、車体の空力についての話題が中心だった。
カシュカイシュという町のリゾートホテルの前に並べられた12チリンドリ・スパイダーの中から1台に乗り、試乗では国道247号線に出て、大西洋を左手に見ながらロカ岬を横目に、さらに上へと走っていくコースをとった。
じつはあたりのルートは、これまでに何度も他社の試乗会で通ったことがある。次のカーブを曲がるとダイナーがあってサンドイッチが売っているはず、なんて記憶がよみがえる。
馴染みのあるコースを走ることには大きなメリットもある。12チリンドリ・スパイダーがいかに速くて、いかに安定しているか、よりよく理解できる気がしたことだ。
会場となったリゾートホテルは、ゴルフコースが隣接した広い敷地内にあり、国道に出るまでの14秒で電動トップを開け、海岸線のドライブに向けての心の準備はできた。
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