【EV時代へのアンチテーゼ】12気筒エンジンを諦めないフェラーリの意地、新型「12チリンドリ・スパイダー」に見た多様性の本質

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メーターパネルやセンターディスプレイのほか、助手席前方にはパッセンジャー用のディスプレイも設置
メーターパネルやセンターディスプレイのほか、助手席前方にはパッセンジャー用のディスプレイも設置(写真:Ferrari SpA)

「このクルマの12気筒エンジンは、性能面で大変優れています。同時に、CO2排出量と燃費においても優れた性能を発揮することを念頭に開発しました」

カシュカイシュで、エンジン担当のエンジニアが語ったことだ。これまで多気筒エンジンを作ってきた自動車メーカーは、今後の方針として「可能性をひとつに絞らず、多方面で開発を続ける」というところが多い。

フェラーリも12気筒をギリギリまで諦めない、と言っているので、12チリンドリ・スパイダーのエンジンのように、モダナイズする方策を採用していくのだろう。

多様性を求めるフェラーリの姿勢

12チリンドリ・スパイダーのデリバリーは、2025年春頃からの予定となっている
12チリンドリ・スパイダーのデリバリーは、2025年春頃からの予定となっている(写真:Ferrari SpA)

競合関係としてよく採り上げられるランボルギーニは、現在、すべてのモデルをプラグインハイブリッド化し、12気筒エンジンにもモーターを組み合わせている。

3車種展開のランボルギーニに対して、フェラーリのモデルラインナップははるかに多様。パワートレインも12気筒を筆頭に8気筒、さらにハイブリッド化された8気筒や6気筒が用意される。加えて高出力にチューニングされたスペシャルシリーズも揃う。

ビジネスの方針が違うので、フェラーリとランボルギーニ、どちらが正しい道を歩んでいるか、白黒はつけられない。ただし、フェラーリが、どのブランドにも似ていないことは明白だ。

「いくら説明しても、言葉ではカバーできないところがどうしてもあります。このクルマは、オーナーの感情を激しく揺さぶるような感動的な体験を提供してくれるはずです」

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こんなことをさらっと言うメーカーはあんまりない。そして、それが誇張でないことを、リスボン近郊を150kmほど走って、私はよく理解した。

 

 

 

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小川 フミオ モータージャーナリスト

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おがわ ふみお / Fumio Ogawa

慶應義塾大学文学部卒。複数の自動車誌やグルメ誌の編集長を歴任。そのあとフリーランスとして、クルマ、グルメ、デザイン、ホテルなどライフスタイル全般を手がける。寄稿媒体は週刊誌や月刊誌などの雑誌と新聞社やライフスタイル誌のウェブサイト中心。

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