
「このクルマの12気筒エンジンは、性能面で大変優れています。同時に、CO2排出量と燃費においても優れた性能を発揮することを念頭に開発しました」
カシュカイシュで、エンジン担当のエンジニアが語ったことだ。これまで多気筒エンジンを作ってきた自動車メーカーは、今後の方針として「可能性をひとつに絞らず、多方面で開発を続ける」というところが多い。
フェラーリも12気筒をギリギリまで諦めない、と言っているので、12チリンドリ・スパイダーのエンジンのように、モダナイズする方策を採用していくのだろう。
多様性を求めるフェラーリの姿勢

競合関係としてよく採り上げられるランボルギーニは、現在、すべてのモデルをプラグインハイブリッド化し、12気筒エンジンにもモーターを組み合わせている。
3車種展開のランボルギーニに対して、フェラーリのモデルラインナップははるかに多様。パワートレインも12気筒を筆頭に8気筒、さらにハイブリッド化された8気筒や6気筒が用意される。加えて高出力にチューニングされたスペシャルシリーズも揃う。
ビジネスの方針が違うので、フェラーリとランボルギーニ、どちらが正しい道を歩んでいるか、白黒はつけられない。ただし、フェラーリが、どのブランドにも似ていないことは明白だ。
「いくら説明しても、言葉ではカバーできないところがどうしてもあります。このクルマは、オーナーの感情を激しく揺さぶるような感動的な体験を提供してくれるはずです」

こんなことをさらっと言うメーカーはあんまりない。そして、それが誇張でないことを、リスボン近郊を150kmほど走って、私はよく理解した。
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