令和ロマン“じゃない方芸人”の松井ケムリ(31)が相方不在でソロ覚醒 不祥事をネタにして笑い飛ばす実力はいかに育まれたか?

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かつて令和ロマンというコンビは「テレビに出ない」という発言をしたことで知られていた。これに関しては、言葉が独り歩きして誤解されて広まっている部分もあるのだが、基本的にはコンビ単位の話ではなく、くるまが個人として発言したものだ。発言の趣旨を簡単にまとめると「テレビよりもライブに力を入れていきたい」ということだった。

一方のケムリは、むしろ個人としてはどんどんテレビに出ていきたいと思っているのだという。実際、人柄が良く、知識が豊富で、誰とでも親しげにやり取りができるケムリは、テレビタレントとしての適性がある感じがする。

彼の憧れの芸人はオードリーの春日俊彰だというのだが、それもわかる気がする。春日はテレビタレントとして王道を行くタイプの芸人であり、タレント志向のケムリが彼を理想像としているのは納得できる。

くるまの不祥事が発覚したことで、コンビとして失った仕事は多いし、事務所や関係各所に多大なダメージを与えることになったのは間違いない。だが、令和ロマンというコンビにとって、このトラブルは必ずしも悪いことばかりではなかったような気がする。

完全無欠からスキのある芸人へ

「M-1」二連覇を成し遂げた「完全無欠な芸人」と思われているというのは、笑いを職務とする人間にとってベストな状態ではない。少しぐらいスキがあったほうが共感されやすいし、笑ってもらいやすい。特に、くるまは不祥事によってとげとげしい印象が薄まり、好感を持たれるようになるかもしれない。

また、個人での活動が増えたことで、ケムリの芸人としての評価も上がった。この騒動は令和ロマンというコンビが次のステージに進むために必要な試練だったのかもしれない。

ラリー遠田 作家・ライター、お笑い評論家

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らりーとおだ / Larry Tooda

主にお笑いに関する評論、執筆、インタビュー取材、コメント提供、講演、イベント企画・出演などを手がける。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり〈ポスト平成〉のテレビバラエティ論』(イースト新書)など著書多数。

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