令和ロマン“じゃない方芸人”の松井ケムリ(31)が相方不在でソロ覚醒 不祥事をネタにして笑い飛ばす実力はいかに育まれたか?
しかし、ケムリが実力者であるということは、お笑い好きの間では知られていたことだった。コンビとして活動しているときには、勢い良くしゃべるくるまを立てるために一歩引いたポジションをとっていたが、ツッコミとしての実力はたしかなものがあった。
ケムリは知性とユーモアを織り交ぜた冷静なツッコミを得意としている。大声を張り上げて頭をはたいたりするようなスタイルとは違って、ボケの意図をくみ取った上で的確な言葉を返していく。「そんなことまで知っているのか」と、彼の純粋な知識量やボキャブラリーに驚かされることも多い。
ケムリは中高一貫の名門私立を経て、慶應義塾大学法学部を卒業している。知識量が豊富で語彙力があるため、ボケに対する返しが洗練されている。また、一時はSNSでネットニュースのおかしな見出しにツッコむネタを披露して話題になっていたこともあった。ツッコミとしてのセンスだけでなく、自分自身が笑いを取る力も持ち合わせている。最近のソロ活動を通して、そういう部分が一般層にも見えやすくなった。
ケムリの父親はビジネスエリート
また、演説口調で自説を述べる相方のくるまにはどこかとげとげしい印象があるのに対して、ケムリはいつも屈託のない笑顔を浮かべていて、穏やかな性格であるように見える。人柄の良さという点でも彼は多くの人に好印象を与えている。
生まれ育った環境もその性格形成に影響を与えているのかもしれない。彼の父親は現在、大手証券会社の副会長という立場にあり、経済的に恵まれた家庭で育った。裕福な環境でのびのびと育ったことで、屈折したところがない素直な性格になったのかもしれない。お笑いの世界ではハングリー精神や我の強さを持っている人が多く、ケムリのような柔和な性格の人間は珍しいため、余計に目立って見える。
彼は相方のくるまの放つボケに対して、本当に楽しそうに笑う。その笑い方には作りものの要素がなく、純粋に楽しんでいる様子が伝わってくる。その空気感がコンビとしての魅力を引き立てている。
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