生成AIの活用・導入を成功に導く「5つの条件」 世界で成果を出す企業は何をしているのか

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①コミュニティによるナレッジ展開

 生成AIの利用者を増やすには、ナレッジを体系的に蓄積・展開することが必要です。そのためには社内に生成AIのコミュニティを立ち上げ、社内外の有識者を招待するなどし、部門横断のコミュニケーションを自発的に活性化させます。活発なコミュニケーションこそが、ナレッジ展開の成功に不可欠です。

②生成AIプロジェクトの可視化

 生成AIの導入検討はその手軽さから、社内の各部門で個別に行われがちです。しかしこの場合、A部署で検討された内容がB部署でも検討されるなど、全社的に見て非効率な重複した議論が発生する場合があります。これを避けるために、全社の生成AIプロジェクトを洗い出し、そのステータスを可視化することが重要です。

体制・人材育成のポイント

生成AIを社内で活用するには、環境作りが不可欠です。事業課題解決やお客様価値向上のためにデジタルを活用するというビジネス起点のマインドセットを備え、働き方の変化に抵抗を感じることなく生成AIを活用可能にするために求められる、①風土醸成、②人材育成、③体制整備の取り組みを解説します。

①風土醸成

 先述したように生成AIをパートナーとして考え、どのように活用すればよいのかを常に考える風土を醸成することが重要です。そのためには社内イベントや勉強会、AI技術コンテストなどの開催が有効です。

生成AIの活用に対しては「自身の仕事を奪われるのではないか」という危惧や、慣れ親しんだ業務プロセスへの影響などといった理由から、利用に抵抗を感じる社員もいます。そのため、生成AIはあくまで担当者の役割を補完するものであることや、生成AI導入のメリットを十分に伝えることが重要です。

生成AIの導入は組織全体の働き方に影響を与える可能性があるため、業務がどう変わるか、効果や留意事項は何かといった観点を丁寧に説明し、社員の納得感を醸成します。

②人材育成

生成AIは従来のAIとは異なり、人間と協働して業務に取り組むパートナーであることから、生成AIのスキル習得は全社員が対象となります。基本的な知識や利用ルールの研修に加え、業務内で実践的なスキルを習得するためのOJTも必要です。

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