中国BYD、「8400億円」資金調達で成長にアクセル 香港で新株発行、海外工場の建設などに充当か

✎ 1〜 ✎ 300 ✎ 301 ✎ 302 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

大型増資の発表を受けて、BYDの株価は(株式希薄化への懸念から)3月4日の香港市場で急落。同日の終値は339香港ドル(約6552円)と前日比約6.8%下落した。

BYDは海外で複数の工場建設を同時に進めており、多額の資金を必要としている。写真は2024年7月に開催したタイ工場の竣工式典(同社ウェブサイトより)

今回の資金調達では、新株の売却収入から手数料等を差し引いた純調達額は約433億8300万香港ドル(約8385億円)となる。BYDはこれを「研究開発投資、海外事業投資、運転資金の補充および一般的な事業資金」に充てると説明しているが、業界関係者の間では、主に海外事業に投じられるとの見方が主流だ。

中国の資本規制を回避か

「BYDは海外で複数の工場建設を計画し、多額の資金を必要としている。だが中国政府の資本規制により、それだけの資金を国内から海外に持ち出すのは難しい。そこで(オフショア市場である)香港での新株発行(で得た香港ドル資金)により、海外事業の資金需要を賄うもくろみだろう」。野村証券の調査レポートは、増資のスキームについてそう分析した。

本記事は「財新」の提供記事です。この連載の一覧はこちら

BYDの事業規模は、過去数年間に驚異的な成長を遂げた。同社の2024年の新車販売台数は約427万台に上り、2021年の約74万台の5.8倍に拡大。2023年まで中国首位だった上海汽車集団を追い抜き、世界の自動車メーカーのランキングでも第6位に躍進した。

今回の大型増資は、BYDが現在の成長ペースを維持・加速するための野心的な動きにほかならず、今後の成果が注目される。

(財新記者:翟少輝)
※原文の配信は3月4日

財新編集部

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

Caixin

2009年設立の財新は中国の経済メディアとして週刊誌やオンライン媒体を展開している。“独立、客観、公正”という原則を掲げた調査報道を行い、報道統制が厳しい中国で、世界を震撼させるスクープを連発。データ景気指数などの情報サービスも手がける。2019年末に東洋経済新報社と提携した。(新型肺炎 中国現地リポート「疫病都市」はこちらで読めます

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事