40年、50年も? 返済期間「35年超」の"超長期"住宅ローンが利用急増 「こんな借り方はNG!」メリットとデメリットを解説

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
超長期の住宅ローンのメリット・デメリット
【メリット】
• 毎月の返済額を抑えられる
• 住宅ローンの借入上限額を増やせる
【デメリット】
• 返済総額が増大する
• 老後も返済が続く
• 残債割れリスクが高くなる

超長期ローン、こんな借り方をするのはNG

では、超長期ローンを借りるときに、してはいけない借り方はあるのだろうか?

たとえ総返済額が増えたとしても、毎月返済額を抑えることで日々の家計に余裕ができ、その分を資産運用に充てたり教育資金を用意したりと、しっかり活用するならよいだろう。

しかし、35年返済の毎月返済額では希望の借入額に足らず、たくさん借りるために超長期返済にするのであれば、金利の上昇や想定外の出費などの要因で、返済が難しくなる可能性が高くなる。特に、超低金利が続けば返済可能と思って変動型を選んだ場合は、これからの金利上昇に耐えられないといった事態も考えられる。

また、計画的に繰り上げ返済をして返済期間を短縮しようと考える場合、そのための資金をきちんと貯蓄できればよいが、40年50年という長い期間には人生設計が変わったり、社会の経済状況が変わったりして、想定通りに貯蓄ができない可能性もある。

近年は、物価も上がっているし、留学が増えて教育費用も上がっていると聞く。老後は年金だけで暮らせるとは思えないので、老後資金の準備も必要だ。若い世代は不確定な要素がさまざまあるので、日々の家計や貯蓄に余裕がないような借り方をすると、ローン破綻のリスクが高くなるので注意してほしい。

金融機関が超長期ローンを強化する背景には、住宅価格の高騰がある。35年返済では買えない若い世代に、40年や50年返済なら買えると提案して、顧客を取り込もうというわけだ。諸費用まで融資対象にするのも、頭金などが不足する若い世代を取り込もうという考え方だ。

金融機関が貸してくれる額と、無理なく返済できる額は、同じではないことをよく覚えておいてほしい。

山本 久美子 住宅ジャーナリスト

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

やまもと くみこ / Kumiko Yamamoto

早稲田大学卒業。リクルートにて、「週刊住宅情報」「都心に住む」などの副編集長を歴任。現在は、住宅メディアへの執筆やセミナーなどの講演にて活躍中。「SUUMOジャーナル」「All About(最新住宅キーワードガイド)」などのサイトで連載記事を執筆。宅地建物取引士、マンション管理士、ファイナンシャルプランナーの資格を有す。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事