海外記者が考える「伊藤詩織映画」争点の落とし所 プロデューサーが日本向けに修正を約束した中身とは?

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伊藤詩織も、これがフランスでの事件であれば、性暴力の被害を受けた後の勇気ある行動、警察や検察の態度にも屈服しない姿勢により、英雄として、新聞の一面で報じられただろう。

彼女はセクハラ撲滅キャンペーンに参加し、性暴力に立ち向かうよう女性に呼びかけるポスターが公共の場に貼られたことだろう。ファーストレディーであるブリジット・マクロンは、女性知識人たちとともに、カメラの前で彼女に会うだろう。

実際、フランスの2つの団体は、『ブラック・ボックス・ダイアリーズ』を日本で公開することを求める請願書を出している。

日本の観客が早期に観られるように願う

『ゴッドファーザー』のフランシス・フォード・コッポラと『スター・ウォーズ』のジョージ・ルーカスが製作し、脚本家として名高いポール・シュレイダーが監督した三島由紀夫を題材にした映画『ミシマ:ア・ライフ・イン・フォー・チャプターズ』は、1985年の公開以来、事実上の上映禁止が続いている。

それが、今年ついに40年ぶりに日本で上映されるという噂がある。

日本の観客が伊藤詩織の卓越した作品を観られるようになるまでに40年もかからないことを願っている。検察官から少女まで、日本中の誰もが『ブラック・ボックス・ダイアリーズ』を観られるように。

(敬称略)

レジス・アルノー 『フランス・ジャポン・エコー』編集長、仏フィガロ東京特派員

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Régis Arnaud

ジャーナリスト。フランスの日刊紙ル・フィガロ、週刊経済誌『シャランジュ』の東京特派員、日仏語ビジネス誌『フランス・ジャポン・エコー』の編集長を務めるほか、阿波踊りパリのプロデュースも手掛ける。小説『Tokyo c’est fini』(1996年)の著者。近著に『誰も知らないカルロス・ゴーンの真実』(2020年)がある。

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