西友を「トライアルが買収」何がそんなに凄いのか ジャイキリだが、シナジーしかない買収だ

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それに食料品から衣料品にまで多岐にわたるプライベートブランド「情熱価格」を展開しており、むしろ実態を考えると、ドンキこそかなり正当な総合スーパーだといえる。

MEGAドン・キホーテ 渋谷本店
「ヤンキーがいる」イメージは昔のものとなり、幅広い世代に愛されるドンキ。GMS業態の「MEGAドン・キホーテ」のほかユニー、長崎屋等を持つ(筆者撮影)

イオンについては、全国各地のイオンモールでの核店舗という形で、GMSが残っている。

トライアル・西友グループとこの2社を比較するとどうなるか。

トライアルの2024年6月期、西友の2024年12月期、PPIHの2024年6月期の国内事業における数値、イオンの2024年2月期のGMS業態における数値を用いて比較してみよう(なお、ドンキの国内事業はディスカウント業態であるドン・キホーテ、およびMEGAドン・キホーテも含んだ数値だが、その2つでは食料品から衣料品、家電など幅広く扱っており、前述の通りほぼGMS業態と相違ないため、今回の比較で用いている)。

①店舗数

まずは、店舗数。トライアル・西友グループが誕生した後の国内店舗数は以下のようになる。

PPIH 639店舗
イオン 564店舗
トライアル・西友 585店舗(トライアル:343店舗+西友:242店舗)

イオンのGMS店舗数とはほとんど横並びになり、なおかつ業界1位であるドンキの店舗数にかなり近づいてくる。店舗数では拮抗状態になるわけだ。

②売上高

売上高ではどうか。

PPIH 1兆7810億円
イオン 3兆3893億円
トライアル・西友 1兆2014億円(トライアル:7179億円+西友:4835億円)

トライアルと西友が合体することによって、単純にグループ全体の売上高は1兆円を超える。そして、ドンキの国内事業売り上げにかなり近づいてくる。

いっぽう、イオンのGMS業態全体の売り上げは3兆円ほどあり、売り上げで見ると王者の風格を漂わせる。

③利益

企業にとって最も重要なのが利益だ。本業でのもうけを表す営業利益ベースで3グループを見ると、以下のようになる。

PPIH 1202億円
イオン 283億円(2024年2月期)
トライアル・西友 426億円(トライアル:191億円+西友235億円)

営業利益だけで見れば、これまでイオンと西友は横並びだったが、今回の買収によって大きく差が開いたことになる。

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