西友を「トライアルが買収」何がそんなに凄いのか ジャイキリだが、シナジーしかない買収だ
買収される西友は日本の総合スーパーマーケットの歴史を築いてきた古参の存在。元はセゾングループの中核企業で、「無印良品」や「ファミリーマート」は同スーパーの事業が元にある。現在の小売業界を作った企業の一つだ。
ただし、総合スーパーマーケットが専門店の台頭などにより不調になるにつれ、西友も徐々に売り上げが減少。
2000年代にはアメリカのスーパー・ウォルマートに買収されて経営の立て直しをはかったが思うようにいかず、現在は投資ファンドKKRの手にわたって経営再建の途中である。

そんな古参企業を買収するのが、トライアル。誕生は1984年で、元々は小売店向けのPOSシステムの開発などを行う「IT企業」だったが、そのシステムを活かす形で小売業に進出。九州を中心に覇権を広げてきた。
そんな企業が西友を買収する……。アメリカンドリームというか、なんだかドラマチックな背景もあって話題を集めているのだろう。
とはいえ、トライアル側は西友のブランドも温存させるとしていて、一方的な買収というより両企業が手を結んで仲間になった……というのが実情に近い。

買収の裏側には性格の異なる両社の姿が
では、この買収にはどのような意図があるのか。
すでに両社の会見で言われていることだが、2つのスーパーは現在の立地がほとんどかぶらない。トライアルは九州出身で、圧倒的に西日本に地盤がある。
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