「カローラ アクシオ/フィールダー」迫る生産終了 フルモデルチェンジ後も残った5ナンバー車

そうした十数年におよぶ試行錯誤が行われた傍ら、たとえばハイブリッド専用車の「プリウス」は、2003年から3ナンバー車となり、続く2009年の3代目で大きく販売台数を伸ばした。それを踏まえて国内外で寸法を区別してきたカローラも、ついに現行車から3ナンバーでの国内導入となったのである。
それでも、国内では5ナンバー車への根強い要望が残る。
その様子の裏付けとして、たとえば日本自動車販売協会連合会(自販連)のブランド通称名別ランキングの今年1月の販売状況を見ると、上位10車種のうち6車種が5ナンバー車だ。こうした傾向は、過去何年も続いている。象徴するのが今年1月30日に新車発表されたスズキ「ジムニー ノマド」という5ナンバーのSUVだ。発表からわずか4日で受注が5万台に達し、受注を停止せざるをえなくなったのである。

こうした5ナンバー車の急激な需要の高まりは、やはり5ナンバーSUVとして2019年に売り出されたトヨタ「ライズ」とダイハツ「ロッキー」でもみられた。トヨタにも5ナンバーの「ヤリス」はあるが、SUVの「ヤリスクロス」は3ナンバー車となる。そこに5ナンバーのSUVが現れると、たちまち街にあふれたのである。
日本の道路事情にマッチした5ナンバーサイズの価値観

自動車メーカーは、わずかに車幅が広くなることで3ナンバー車となることをあまり気にかけていない。たとえば自動車税は、車体の大小に関わらず、エンジン排気量で納税額が決まるため、それならば室内が広く、見栄えもよくなる3ナンバーのほうが消費者のためになると考えるようだ。
しかし、実際に日々乗る機会が多いであろう小型車の場合、車庫の出し入れや出先での駐車枠、あるいは新築のビルでも地下駐車場への通路の狭さなど、大柄なクルマでは運転に気をつかう場面が多々ある。
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