全通はいつ?「紀伊半島」高速道路で1周ぐるり 工事は「あと少し」でもまだ遠い聖地巡礼の地

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高速道路の本線上に道の駅があるのは全国的にも珍しい形態だが、同じ和歌山県の京奈和道にも「道の駅 かつらぎ西」がPA然として本線上に所在する。

しかも、こちらは上り/下りで別々に設置されている。売店と飲食施設があるのもSA/PAと同じだが、よく見ると地元産の野菜や加工食品が多く置かれているのは、道の駅らしさを示している。

「道の駅 かつらぎ西」の外観(筆者撮影)
「道の駅 かつらぎ西」の外観(筆者撮影)

令和のいまも「遠い紀伊半島」

紀伊半島は、東京から向かう場合はもちろん、名古屋や大阪からでも鉄道ではかなりの時間がかかる。たとえば、新大阪から白浜までJRの特急で約2時間半、名古屋から新宮まで特急で約3時間半という具合だ。

しかし、東京からは、飛行機という飛び道具がある。羽田~南紀白浜空港(愛称:熊野白浜リゾート空港)は、1日3便と多くはないが、所要時間はダイヤ上で1時間10~15分、実際の飛行時間は1時間を切る。

小さいながらも重要な役割を果たす南紀白浜空港(写真:Yama / PIXTA)
小さいながらも重要な役割を果たす南紀白浜空港(写真:Yama / PIXTA)

南紀白浜空港は、東京便しかないこぢんまりした空港だが、飛行機に接続して空港から串本、那智勝浦、新宮への直通バスが運行されているほか、インバウンドに人気の熊野古道の中辺路、熊野本宮方面への快速バスもある。

さらに2024年11月から2025年1月の間には、空港から田辺市までの空港連絡バスの実証実験も行われた。高速道路の延伸により、空港の紀南におけるバス交通のハブ機能としての役割を強化するであろう。

航空機、鉄道、そして高速道路を走るバスと、それぞれの交通手段が競い合う紀伊半島だが、高速道路の延伸は鉄道には痛手になりそうだ。

飛行機から見た紀勢道(手前の道路)。白浜町の日置川付近(筆者撮影)
飛行機から見た紀勢道(手前の道路)。白浜町の日置川付近(筆者撮影)

ちなみに、いまから50年以上前の1971年の時刻表が手元にあるが、これを見ると、南紀白浜空港には伊丹空港や名古屋空港への便が掲載されている。

伊丹便は1日2往復で所要時間は35分、名古屋便も1日2往復で約1時間。当時、特急電車で名古屋から紀伊勝浦まで行くには、4時間半以上もかかっていたため、航空便の需要がうかがえる。

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