全通はいつ?「紀伊半島」高速道路で1周ぐるり 工事は「あと少し」でもまだ遠い聖地巡礼の地

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温泉やパンダで名高いテーマパーク「アドベンチャーワールド」がある白浜町、本州最南端の潮岬のある串本町、世界遺産に登録されている那智の滝や熊野那智大社を抱える那智勝浦町などは、全国的によく知られた観光地である。

紀州は「木の国」とも呼ばれるほど山が深く、高速道路だけでなく鉄道の敷設も困難を極めた。

京都・大阪と南紀を結ぶ特急「くろしお」(筆者撮影)
京都・大阪と南紀を結ぶ特急「くろしお」(筆者撮影)

東からは紀勢東線、西からは紀勢西線と両サイドから距離を伸ばして作られた紀勢線が全通したのは、戦後10年以上が経過した1959年(昭和34年)のことである。

日本の鉄道幹線網の中では最も遅い全通であり、それだけ工事が過酷だったことを物語る。今でもJR紀勢線のトンネル数180本は、全JRの路線の中で最多だ。

それから60年以上が経過したが、高速道路のほうもトンネルが多いためすんなりとは工事が進まず、まだカウントダウンにまで至っていない。

不思議な高速道路上の「道の駅」

今回、西側の既開通部分である阪和道~紀勢道の「和歌山JCT~すさみ南IC」を、周辺を行き来しながら走破した。

この区間には、3つの休憩施設がある。印南サービスエリア、湯浅吉備パーキングエリア、そして「道の駅くちくまの」である。

「くちくまの」、つまり熊野(三重県熊野市ではなく、熊野本宮を指す)への入り口を示す「口熊野」は、道の駅という名前であるが、高速区間の上り線側(大阪方面)に面していて、アクセスもSA/PAとまったく変わらない。

高速道路側から見た「道の駅 くちくまの」(筆者撮影)
高速道路側から見た「道の駅 くちくまの」(筆者撮影)

それでも設置主体はNEXCOではなく地元の自治体で、国土交通省の「道の駅」認定も受けているので、「SA/PAの機能も持つ道の駅」という扱いになっている。

とはいえ、借りたレンタカーのナビゲーションでは、「PA道の駅 くちくまの」という表示になっていたし、「熊野古道ラスクは『道の駅 くちくまの』で販売」「そこって、一般道からは行けないのでは?」「いえ、どちらからも入れます」という会話調のラジオCMも流れていたので、地元の方々には高速道路上の施設という認識が一般的なのだろう。

「道の駅 くちくまの」の一般道側の駐車場。向こうに見えるのが高速道路側の駐車場(筆者撮影)
「道の駅 くちくまの」の一般道側の駐車場。向こうに見えるのが高速道路側の駐車場(筆者撮影)
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