「ネジザウルス」をヒットに導いた3つの秘訣 工具界の風雲児はこうして激売れした!

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ネジザウルスGTがシリーズでも最大のヒットを記録したのは、もちろんトラスネジに対応したからだけではありません。さまざまな要因のひとつには、ゆるキャラによるプロモーション活動も挙げられると思います。

4コマ漫画で販売促進

私たちは、一時期、ネジザウルスの売れ行きが鈍ってしまった理由のひとつが周知不足にあったのではないかと反省して、とにかく1人でも多くの方に知ってもらうにはどうすればよいかと考えました。知っていただけば、その便利さも理解されるに違いないと自負していたのです。

販売促進のために作ったゆるキャラ、ウルスくん

そこで、試行錯誤のすえにたどり着いたのが「ウルスくん」というゆるキャラでした。中小企業の支援機関である大阪府産業デザインセンターに漫画家さんをご紹介いただき、漫画好きな従業員の意見も採り入れながら協同してつくり上げたキャラクターです。

新商品の宣伝が目的なら、単にマスコットを作るだけでもよさそうなものですが、私はあえて漫画にこだわりました。というのは、次の理由です。

①幅広い世代の方々に親しまれやすい
②ネジザウルスの特徴を説明しやすい

たとえば、バイクのメンテナンス中にネジの溝がつぶれてしまったり、海辺に近い家で塩害によってネジがサビてしまうなど、漫画ならネジザウルスが威力を発揮する場面を具体的に設定しやすく、その機能や使い方も違和感なく説明できます。

そうしたことから「ウルスくん」を主人公にした4コマ漫画「ウルスの大冒険」を制作し、私たちのホームページや動画サイトで公開したのです。4コマ漫画は、パソコンや家電、サッシ、給湯器など、さまざまなネジのトラブルを解決する全16篇。何を隠そう、「ウルスの大冒険」に登場するレンスラー博士というキャラクターのモデルは私です。

また、「ウルスくん」はウェブ漫画の世界からリアルの世界に飛び出して、ゆるキャラグランプリにも出場しています。あの「ぐんまちゃん」(群馬県)や「さのまる」(栃木県佐野市)も出場した13年の大会では、初エントリーにして堂々の14位という結果でした(企業・その他ゆるキャラ部門。エントリー数335体)。

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