Aさんご夫妻は十分すぎるほどの資産をお持ちにもかかわらず、いわゆる「頼れる身寄り」がいないため、このような状況に陥ってしまいました。
このように、子どもがいても疎遠で行き来がない人、あるいはおひとりさま、おふたりさまで子どもがいない人は、お金があってもスムーズな施設入所ができないケースが多いのです。
施設入所には「身元保証人」が必要
一般的に、病院への入院や施設への入所には「身元保証人」が必要です。
Aさんご夫妻の場合、奥様はもともと入退院を繰り返しており、ご主人の入院時は緊急事態だったため、病院は厳しく身元保証人を求めませんでした。
身元保証人が必要とはいえ、病院の場合、緊急時は対応してくれるケースも少なくありません。
しかし、介護施設や老人ホームなどはそういうわけにはいきません。
ご本人に代わって利用料を支払ったり、緊急時に連絡したり、ご本人が亡くなったときに残置物の処分やさまざまな死後事務を引き受ける人がいないと、入居を受け入れられないのです。
そのため、施設は「身元保証人」を求めるのです。
ちなみに、配偶者や兄弟などの親族であっても、高齢の場合は身元保証人になれないことも多いでしょう。
Aさんご夫妻もお互い存命ですが、奥様は認知症、ご主人は寝たきりで身動きがとれないため、お互いの身元保証人になることはできませんでした。
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