数千万円を失いかけた80代女性を救った「契約」 老後ひとり暮らしのお金を狙う悪徳業者も

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高齢のおひとりさまを狙った悪徳ビジネスに、本人も家族も注意しなければいけません(写真:Fuchsia/PIXTA)
団塊世代が後期高齢者に突入する「2025年問題」が間近に迫り、これから老後ひとり暮らしの人はどんどん増えていきます。
そんな中で、身体や判断力が衰えた高齢者の大事な財産を狙う悪徳業者に、本人も家族も注意しなければならない。そう警鐘を鳴らすのは生前整理や遺品整理で何千軒というひとり暮らしの家を見てきた山村秀炯さん。『老後ひとり暮らしの壁』の中から、一部を抜粋・再編集して紹介します。

数千万円の資産を持った80代女性

私が仕事で出会った「おひとりさま」の話をしましょう。

彼女は80代女性で、生涯独身。定年までずっと働いてきて、結構な資産を形成していました。持ち家もあって、預貯金もかなりの額になっていました。

しかし、80代ともなると身体も衰えてきますし、頭のほうも以前ほどには働かなくなってきます。そのため、ひとり暮らしの高齢者を定期的に見回りしている民生委員さんは「そろそろ施設で暮らすことを考えてみませんか?」などと声かけをするのです。

彼女もまた民生委員さんに言われて、高齢者施設への入居を考えました。そこで、高齢者施設の紹介も行っている私たちが呼ばれたのです。

施設に入るためにはまとまった金額が必要なのですが、彼女の場合はその点は問題になりません。問題になったのは、保証人です。施設に入居するときには、何かあったときの連絡先や保険として身元保証人が必要になります。しかし家族のいない彼女にはそれを頼めるような親しい相手がいませんでした。

そこで私たちを通じて弁護士を頼んだのですが、話を聞くうちにとんでもないことがわかってきました。

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