強い信念さえあれば「就職浪人」は怖くない 希望していない仕事をするほうが問題だ

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一刻も早く社会に出るか、就職活動を継続するかの選択肢で悩んでいるわけですが、双方によい面も悪い面もあります。ちなみに私ならば、自分の考えるベストが本気で固まっているのであれば、就職活動を中途半端にやめることはしません。

実際に私自身、卒業直後の4月から仕事を始めたわけではありません。そもそも当時は、新卒を雇っていないベンチャー企業で働くという決意をしていたので、実際に望んでいた形で仕事を開始したのは、卒業から半年ほど経った頃でした。

4月に入社するだけが就職ではない

しかし現実は、生活費を稼がなくてはいけないという問題があります。就職前の期間も、何かしらの仕事をしていました。そして同時並行的にものすごい数のベンチャー企業に、文字どおり突撃訪問をしたのです。

そもそもITバブル崩壊直後で、就職氷河期という中で無名ベンチャーへの就職という「逆張り」をしたわけですから、卒業直後の4月から働くという世間の常識は眼中にありませんでした。

その辺りの詳細は拙著『非学歴エリート』をご参照いただくとして、なぜ卒業から半年も世間の常識を無視してそんなことをしていたのか、を説明します。

数多くある理由のうちrunning manさんの参考になりそうなものを挙げると、私は、当時から自分の中で仕事を選ぶ基準が明確だったためです。自分自身の考える就職の方法が自分のベストであるという自覚があったことと、その決断の結果がどうなろうとも、自分自身に言い訳をしない自信があったからです。

つまり、自分にとっては一流大学出身者が行くような大手企業や有名企業ではなくベンチャー企業で修業をするのがよいという、自ら導いた結論に対して非常に納得していたのです。そのため、世間同様に4月から働き出すという前提を置く必要性すら感じていませんでした。

そんなことを考えつつrunning manさんの置かれた状況を考えると、冒頭で申し上げたとおり、継続はするとしても何を基準に仕事選びをするか、といった考えの整理から始めるべきです。考えの整理ができれば、自分の考えるベストに対してどこまで真剣になれるかが、いつまで活動を継続するべきかを決定することになります。

書かれている質問で少し気になったのが、「目指していた業界があったがダメだった」「ので次回は視野を広げて~」というくだりです。

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