名古屋に「担々麺」を提供する店がなぜ多いのか 20年前から営業する担々麺専門店「想吃担担面」

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想吃担担面
名古屋市と日進市に計5店舗展開する「想吃担担面」の汁なし担々麺(右)と汁あり担々麺(左)。これら以外にも店舗ごとにオリジナルの担々麺も用意している(筆者撮影)
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静岡市へ取材に行ったときのこと。取材相手から「名古屋って担々麺を食べられる店がやたらと多いですよね」と言われた。それまでまったく意識していなかったが、グルメサイト「食べログ」でエリアを「名古屋市」、キーワードを「担々麺」で検索してみた。

すると、なんと87軒もの店がヒットした。担々麺の専門店や四川料理店は言うまでもなく、中華料理店やラーメン店でも担々麺を出す店がほかの地方と比べて尋常ではないほど多かったのだ。もはやこれは名古屋の隠れ名物と言っても過言ではない。

想吃担担面  汁あり担々麺
「想吃担担面」の汁あり担々麺(990円)。たっぷりの肉味噌がのるのも特徴だ(筆者撮影)

かく言う筆者も担々麺は大好物で週に1回、いや、それ以上食べているかもしれない。初めて食べたのは、20歳のとき。当時働いていた会社の上司に連れて行ってもらった名古屋都ホテル内の中華レストラン「四川」のランチで提供されていた担々麺だった。

初めての担々麺に筆者は芝麻醤のコクとラー油、花椒の刺激にすっかり魅了された。世の中にはこんなにおいしいものがあったのかと思った。35年前の東京や大阪にはすでに担々麺の専門店があったかもしれない。しかし、名古屋ではホテル内の中華レストランか四川料理店でしか担々麺が食べられなかった。そんな担々麺が今では名古屋の至るところで食べられるようになったのはなぜだろうか。

20年前に名古屋初の担々麺専門店をオープン

名古屋初の担々麺専門店は、20年前、名古屋駅地下街「エスカ」にオープンした「想吃担担面(シャンツーダンダンミェン)」である。ここで話を聞けば、何かしらのヒントを得られるかもしれないと思い、「想吃担担面」を運営する明佑の社長、中島三鐘さんを訪ねた。

「『想吃担担面』の前身となる店はたくさんあるのですが、原点は名鉄の栄生駅前で営んでいた『だいえい』という町中華です。創業が1955年ですから、ちょうど今年で70年になります。その後、カラオケと中華を融合させた店にリニューアルしました。『想吃担担面』の原型となる担々麺が完成したのはその頃と聞いています」と、中島さん。

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