「レイバック」不安や疲労を減らす"足"の所作 フォルクスワーゲンを目指した走りの作り方

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酸ヶ湯温泉の古風な建物の前に置いても絵になるクルマ(写真:SUBARU)
酸ヶ湯温泉の古風な建物の前に置いても絵になるクルマ(写真:SUBARU)

すると、そのあと硫黄泉の強い匂いが服に染み付いて洗ってもとれなかったのに、驚いた。それが「この温泉のパワーなんだろう」と思ったものだ。

その八甲田連峰の西麓にあたる標高900mの地から、レイバックでもって、カーブが続く林道を駆けおりていった。

除雪がゆきとどいていて、ほぼドライ路面だったので、(タイヤはスタッドレスタイヤだったが)開発者の狙いを知るのによい環境だったといえる。

ベンチマークはフォルクスワーゲンとも

レイバックの乗り心地はとてもしっかりしていて、たいへん安定感が高いと感じられた。サスペンションシステムは、路面の凹凸をきれいに吸収。同時に、ドライバーである私を含めて、乗員はフラットの姿勢をたもっていられる。

快適なのだが、足まわりはやわらかすぎない。上手にバランスがとれている。それを走り出してすぐに感じられた。

ステアリングホイールを操舵したときの、車体の反応もよい。安定感と操縦の楽しさをあわせ持っているといえる。

駆動方式はもちろんスバルお得意のシンメトリカルAWD(写真:SUBARU)
駆動方式はもちろんスバルお得意のシンメトリカルAWD(写真:SUBARU)

「サスペンションでは、ダンパーの設定にこだわって、フォルクスワーゲンのような欧州車に負けない操縦性と快適性の両立をめざしました」とは、足回りの開発を担当したスバルの技術者の言。それを聞いて「なるほど」と思った。

フォルクスワーゲン車のハンドリング性能は、スバルとして以前からひとつのベンチマークにしていたという。

たしかに「ゴルフ」シリーズでも、先代にあたる、いわゆる「ゴルフ7」(2012年発表)の評価は高かった。ステアリングの正確性と独自の味つけの自由度を求めての「デュアルピニオン」と呼ばれた構造をもつ電動パワーステアリング。もうひとつは、ハンドリングに影響するシャシー剛性、そして、今回スバルのエンジニアが指摘したダンパーのセッティング。

さらに、最新の「ティグアン」や「パサート」(ともに2024年11月に日本発売)では、「DCC Pro(ディーシーシー・プロ)」と呼ばれる新開発の電子制御ダンパーがすばらしい働きをしている。

次ページポイントは「ダンパーの動かし方」にあり
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