「レイバック」不安や疲労を減らす"足"の所作 フォルクスワーゲンを目指した走りの作り方

✎ 1〜 ✎ 99 ✎ 100 ✎ 101 ✎ 102
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

高速道路では快適で、かつ車体の動きをフラットに保つ。カーブが続く道では、ステアリングホイールを切り込んだときに、車体のノーズをさっと内側に向けるとともに、オンザレール(レールに乗ったような)のブレない動きで、痛快なコーナリング性能を味わわせてくれた。

レイバックで注目すべきは、ダンパーが動きはじめるタイミングだという。「ダンパーを早めに働かせるようにすることで、しっとりした動きを実現させるんです」と、先の技術者は話す。

雪で固められた路面でも振動は少なく、固さを感じることもなかった(写真:SUBARU)
雪で固められた路面でも振動は少なく、硬さを感じることもなかった(写真:SUBARU)

「車体の動きをなるべく抑えるようにすると、硬さが出てしまう。車体が動くと同時に、じわっと減衰力を上げていくようなダンピングの立ち上がり方の設定が、上質な乗り心地につながります」

サスペンションまわりのブッシュ類やタイヤのジオメトリーも、レイバック専用に設定。重視したのは、ステアリングホイールを操舵した際に運転者の意図どおり、クイックになりすぎず車体が動くことだという。

スポーツカーのように、クルマの特性に運転者が慣れるのでなく、最初から、無理なく自然体で操縦できること。それがレイバックの持つレイドバック・フィーリングなのだろう。

広大な美しい景色は、ゆったりとしたツーリングに適した「レイバック」によく似合う(写真:SUBARU)
広大な美しい景色は、ゆったりとしたツーリングに適した「レイバック」によく似合う(写真:SUBARU)

「スバルらしさ」だけじゃない魅力

「走りのスバル」という個性を殺さず、「運転にそう慣れていない人にもどんどん乗っていただける設定」というのがレイバックのセリングポイントだという。

399万3000円からの価格も、かなり魅力的だ。参考までに、先にあげたフォルクスワーゲンのティグアンは、500万~600万円台がボリュームゾーンとなる。

東洋経済オンライン「自動車最前線」は、自動車にまつわるホットなニュースをタイムリーに配信! 記事一覧はこちら

レヴォーグよりタフで、「フォレスター」ほど泥臭くない。このニッチなキャラクターで、さらに市場が拡がるといいだろう。

内外装を黒で統一した「Black Selection」もあるが、さらにもうひとつ、内外装のデザインや素材などをよりソフトなイメージのものにして、デザインの面からも、より幅広いユーザーにアピールできるグレードがあってもよさそうだ。

【写真】2トーンカラーのシートがオシャレな「レイバック」のデザイン(35枚)
小川 フミオ モータージャーナリスト

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

おがわ ふみお / Fumio Ogawa

慶應義塾大学文学部卒。複数の自動車誌やグルメ誌の編集長を歴任。そのあとフリーランスとして、クルマ、グルメ、デザイン、ホテルなどライフスタイル全般を手がける。寄稿媒体は週刊誌や月刊誌などの雑誌と新聞社やライフスタイル誌のウェブサイト中心。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事