高速道路では快適で、かつ車体の動きをフラットに保つ。カーブが続く道では、ステアリングホイールを切り込んだときに、車体のノーズをさっと内側に向けるとともに、オンザレール(レールに乗ったような)のブレない動きで、痛快なコーナリング性能を味わわせてくれた。
レイバックで注目すべきは、ダンパーが動きはじめるタイミングだという。「ダンパーを早めに働かせるようにすることで、しっとりした動きを実現させるんです」と、先の技術者は話す。

「車体の動きをなるべく抑えるようにすると、硬さが出てしまう。車体が動くと同時に、じわっと減衰力を上げていくようなダンピングの立ち上がり方の設定が、上質な乗り心地につながります」
サスペンションまわりのブッシュ類やタイヤのジオメトリーも、レイバック専用に設定。重視したのは、ステアリングホイールを操舵した際に運転者の意図どおり、クイックになりすぎず車体が動くことだという。
スポーツカーのように、クルマの特性に運転者が慣れるのでなく、最初から、無理なく自然体で操縦できること。それがレイバックの持つレイドバック・フィーリングなのだろう。

「スバルらしさ」だけじゃない魅力
「走りのスバル」という個性を殺さず、「運転にそう慣れていない人にもどんどん乗っていただける設定」というのがレイバックのセリングポイントだという。
399万3000円からの価格も、かなり魅力的だ。参考までに、先にあげたフォルクスワーゲンのティグアンは、500万~600万円台がボリュームゾーンとなる。

レヴォーグよりタフで、「フォレスター」ほど泥臭くない。このニッチなキャラクターで、さらに市場が拡がるといいだろう。
内外装を黒で統一した「Black Selection」もあるが、さらにもうひとつ、内外装のデザインや素材などをよりソフトなイメージのものにして、デザインの面からも、より幅広いユーザーにアピールできるグレードがあってもよさそうだ。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら