
聞くと、高速走行が「不安」だとか「疲れる」というドライバーは、ハンドル操作に問題を抱えているという。隣車線の車両を意識したり、車線の中央を走ろうと思うあまり、無意識にハンドル操作をする。
そのとき、操舵の量が適当でないと意図せず進路が乱れ、そこでまた操舵をしてしまう。この繰り返しが蛇行運転となって、ドライバーは焦り、結果的に不安や疲労につながってしまうのだ。
スバルのエンジニアは、それを防ぐべく、ステアリングシステムとサスペンションシステムの設定を調節した。
「ハンドルをすばやく操舵すると、途中からステアリングレシオが変わって車両の回頭性(向きを変える反応速度)がよくなるのが、バリアブル(可変)レシオのステアリングです。しかし、実はそれも、人によっては不安材料になることがあります」

スバルでは、2020年に登場した2代目レヴォーグをはじめ、「WRX S4」「インプレッサ」、それにクロストレックで「なめらかで上質感のある操作フィーリング」のために、2ピニオン式電動パワーステアリングを採用している。ただし、ステアリングレシオは、操舵の速度に影響されない固定式だ。
由緒ある温泉地での試乗
今回の試乗コースは、酸ヶ湯(すかゆ)から青森市内へ至る道。十和田八幡平国立公園の大岳のふもとにある酸ヶ湯温泉は、1954年に厚生省(当時)によって「国民保養温泉地」第1号に指定された歴史も持つ由緒ある温泉だ。
話は逸れるが、私は何度か酸ヶ湯を訪れたことがあり、ここの酸性硫黄泉を堪能している。
温泉は一種の“塗る薬”であり、「上がり湯を使っては元も子もない」というようなことを、かつて温泉学で知られる松田忠徳氏に聞いたことがあるので、そのとおりに、湯から出たあとタオルで水分を拭き取るだけで服を着た。
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