10年前にエヌビディア株を買えた「最強の投資術」 "Win95の父"が説くメタトレンド分析の威力

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たしかにそのとおりです。そもそも「ILSVRC」というコンペティション自体、研究者や技術者など、限られたコミュニティで語られるマニアックな存在。一般の投資家が耳にする機会はほとんどありませんでした。

実を言いますと、私自身も2012年当時、「これからAIは確実に伸びる」というメタトレンドにはまだ気づいていませんでした。

AI分野に関心が強かった私ですら、当時はAIの将来性やNVIDIAの潜在的な価値を、今ほど明確に理解していなかったのです。

とうぜん、その時点で私がNVIDIA株を買えたわけではありません。結局、私がNVIDIAの株を初めて購入したのは2014年ごろ、AlexNetが歴史的快挙を成し遂げてから約2年が経過したあとのことになります。

NVIDIAのメタトレンド

先ほどご紹介した「AlexNet」誕生がAIの歴史を塗り替えた出来事は、一般の方にとって縁遠いものでした。テクノロジー好きな私でさえ、その瞬間には気づかず、アンテナに引っかからなかったほどです。

さらに当時は「AIブームの主役はNVIDIA」という図式も明確になっていませんでした。なぜなら、GPUメーカーはNVIDIA以外にもIntelやAMDが存在していたからです。加えて、AI自体が発展途上だったこともあり「NVIDIAが独り勝ちするのか、それとも別のメーカーが主役になるのか」は、まだ不透明でした。

私が「AlexNetがAIの歴史を変えた、しかもその圧倒的な性能にはNVIDIAのGPUが欠かせなかった」という情報を耳にしたのは、2013年から2014年ごろでした。

さすがにそのころになると、AI業界を超えてテック業界全体でも「AIはどうやら確実に伸びるらしい」という噂は広まっていました。そして、私がAIの歴史を塗り替えたAlexNetにNVIDIAの半導体が使われると知り、「もしAIが本当に来るなら、NVIDIAが今後大きく伸びるかもしれない」と直感的に感じはじめたのはそのころです。私はこのタイミングでNVIDIAの株を購入しました。

その後、NVIDIAは2016年ごろからAIを支えるプラットフォーム企業としての立場をあらためて打ち出しました。

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