難関"中学入試"で問われる「時事問題」その中身 有名中学ではどんな問題を出題したのか?

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話を筑駒の入試問題に戻すと、第1問の1段落目は、今回の懇談会でどういう事件があったのかという概要の説明になっています。

このニュースを知っていた受験生であれば、「ああ、あのニュースの話ね」と理解して解くことができたでしょう。しかし、問題文を見て初めてそのニュースを知った受験生は、「知らないニュースだ! どういう事件で、何が重要なんだろう……」と、一語一句注意して読み進めることになるので、ただ問題文を読むだけでも、随分時間がかかってしまいます。

ニュースを知っているというだけで、ほかの受験生と差をつけることができたのです。

難関女子中で出題された「女性の働き方」

近年では女子校の最難関中学の1つに数えられる豊島岡女子でも、ニュースに関連した出題が行われました。

豊島岡女子の2025年度の社会の第3問は、非常に印象的な一文から始まります。

「人は何のために働くのでしょうか。」

続けて、内閣府の調査では「お金を得るために働く」が6割以上であったことを示し、「では、生きていくために十分なお金を得ることができれば、働かなくてもよいのでしょうか?」と受験生に問いかけます。

もちろん、受験しているのは小学6年生ですから、「働く」ということがどういうことかを実感を伴って理解している生徒は誰一人としていないでしょう。

しかし、普段からニュースを見ていると、「男女共同参画社会」「働き方改革」「パワハラ」など、どうやら昔ながらの働き方が通用しなくなってきているのだという空気感を感じることができるはずです。その感覚を知っているだけでも、文章が読みやすくなるでしょう。

この問題文は、働く目的についての問いを導入として、「”経済的な自立と早期退職”を意味する FIREを目指す人が増えていること」「2024年には新NISAが導入され、家計の資産を貯蓄から投資にシフトさせるのを政府が後押ししていること」「仕事と家庭生活の両立が求められていること」と、「働く」という行為を取り巻くさまざまなニュースに触れています。

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