「会議で黙っている部下」から発言を引き出すコツ なぜ意見を言わないのか、背景を知って対策を

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「今の意見に対して、アイデアをつけ加えるとしたら?」「Cさんの提案に関して、どんなことが言えそう?」。これは質問の形を取っていますが、「アドバイスを求めている」ようにも受け取れますよね。こうして部下の自尊心をくすぐるのです。

また、「ここまでの会議の流れを、簡単にまとめてもらえるかな?」「みんなの意見を総括してもらえますか?」「今日の会議の最大のポイントはどこだろう?」「今の段階で、まだ足りていないことはないだろうか?」といった質問によって、当事者意識の乏しい部下に、重要な役割を任せるのも効果的だと思います。

自分の発言が注目されるシチュエーションを用意してあげれば、意見してもいいかな、という気持ちになってくれるかもしれません。

やはり大事なのは、自分が会議の当事者であると、自覚してもらうことです。部下の納得のいく状況を作り、発言する機会を用意して、本人を会議に巻き込んでいくことです。部下のタイプに合わせて、「いい質問」をうまく選択してください。

「いい会議」の3つのファクター

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さて、ここまでいくつかの会議における「いい質問」を紹介してきましたが、じつは「どんな質問をするか」以上に大事なことがあります。

「いい質問」が会議で効力を発揮するためには、その会議が「いい会議」であることが大前提です。

上司が厳しすぎたり、気が利いた意見を言わないと叱責されたりするような会議であれば、部下が萎縮してしまい、意見できないのは当然ですよね。上司が満足するか怒るかに、部下が一喜一憂するような会議は「いい会議」とは真逆です。

それが「いい会議」になるかどうかは、

・会議の進行者がどんな人なのか?
・会議に参加する上司がどんな人なのか?
・会議に参加するメンバーはどんな人たちなのか?

ということに少なからず影響されます。

とくに、進行する立場の人や発言力の強い立場の人は、自分の言動が会議に与える影響について、しっかりとわきまえておく必要があるでしょう。

いい意見は、いい会議でこそ生まれます。これを上司はしっかり理解し、意識して、「いい質問」を利用しながら、いい会議となるよう立ち回らなければならないのです。

林 英利 プロコーチ、BizMentor(R)代表メンター・エグゼクティブコーチ、 一般社団法人日本リレーショナルリーダーシップ協会(JRLA) 代表理事

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はやし ひでとし / Hidetoshi Hayashi

1972年、東京生まれ。大和ハウス工業、トヨタ自動車などを経て、2010年にプロコーチ、研修講師として独立。大手企業の経営者や管理職などを対象に、コーチングサポートやリーダーシップ研修を提供。2015年、年間3000名が受講する銀座コーチングスクールの代表に就任し、コーチング講座の開発のほか、プロコーチや講師の育成に尽力。2019年に「“一緒に働きたい”と言われるリーダーづくり」をミッションに掲げ、JRLAを設立。厳選されたビジネスメンター(BizMentor(R))と共に、管理職・ビジネスリーダー向けのメンタリングやコーチングサポートを提供するほか、1on1の立て直し・定着支援プログラム「1on1実践トレーニング(R)」を、組織改革を目指す企業などに提供している。著書に『一瞬で自分を変えるセルフコーチング』(三笠書房)がある。
国際コーチング連盟(ICF)認定プロフェッショナルコーチ(PCC)。

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