ですから、具体的にどの程度のレベルが許容されるのか、事前に設定するのがおすすめです。
「学生だったら、どう考えるだろうか?」「20代の人だったら、どう思うだろうか?」「感想でもいいので聞かせてくれないかな?」「〇〇に限ったことでもいいから、意見を聞かせてくれないかな?」。
部下が発言しようとしないとき、「誰でも言えるようなことを言われても」「ちょっと気の利いた意見がほしい」といった雰囲気があると、輪をかけて発言しなくなります。
そうではなく、感想でもいいから発言してもらって、意見の数を増やしつつ、発言することによって、本人に「自分もこの会議に参加しているんだ」という「当事者意識」を持ってもらうことが重要です。
発言するハードルをぐんと下げる
発言できない理由は人それぞれありますが、共通しているのは、その会議が「自分事」になっていないということ。他人事だから、意見を出さなくても平気でいられます。
一方で、自分自身のことが、他人の意見のみで決められていくことを、平気に思う人はいませんよね。彼らは、目の前の会議が、自分にとって重要なことなのだと気づいていません。それに気づいてもらうための質問が必要です。
発言の機会を作るという意味では、「A君の今の意見を聞いて、あなたはどう思った?」「Bさんの提案に対して、感想を聞かせてくれないかな?」と、すでに発言した人の意見に上乗せしていく形で発言してもらうのも、1つの方法です。
それなりにキャリアのある部下であれば、それほど難しい質問ではないはず。出てきたのが目新しいアイデアや、気の利いた意見でなくとも、「なるほど。ありがとう。たしかにそうかもしれないね」と、受け止めてください。
どんな意見であっても、否定されたりダメ出しされたりしないのだとわかれば、部下はより発言しやすくなります。
発言に対する心理的なハードルがぐんと下がるのです。あの手この手で、ハードルをぐんぐん下げて、部下にかかるプレッシャーを緩めていきましょう。
さて、ここまでは消極的だったり、後ろ向きだったりする理由から発言しない人に対して、当事者意識を持ってもらうための質問をお伝えしてきました。ただ、これに該当しない「発言しない部下」もまれにいます。非常に自分に自信があり、自尊心の高いタイプの部下です。
「会議の内容が取るに足りない」「自分が発言するほどのことではない」と思っているから、積極的に意見しようとしません。
こういう理由で発言しない部下に対しては、「人の意見に上乗せ」する質問にちょっと工夫を加えてみてはどうでしょう。たとえば、次のような質問を投げかけてみます。
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