共通テスト監督者「トイレ立ち入り」は苦肉の策? 「中学受験」でも頻出"カンニング"の実態と対策
だが小道具の持ち込みなどはかわいいもので、なかには“完全犯罪”を決行する知能犯もいた。
「見た目はそっくりなのに成績にギャップのある双子が替え玉受験を試みたり、試験の時間が午前か午後かに振り分けられるタイプの模試で、午前に受験した友達から回答を買って午後受験に臨んだり……。
小学生だと思ってなめてかかっちゃダメですよ」
受験生を疑わずに済む環境を作る
とりわけ不正の温床となっていたのが、トイレだ。塾の模試は試験監督をギリギリの人数で回しており、試験中のトイレは付き添いなしで自由に行かせることが多い。
塾側としては一定数カンニングが起きてもしょうがないと割り切っており、むしろ不正に気付いても保護者とのトラブル防止の観点から注意しない運用にしているケースもあるという。
しかし、入試本番となるとそう甘くはない。トイレに行ったらその後は試験会場に戻れないルールにしたり、試験中に挙動不審と判断した生徒はその時点で不合格にしたり、という学校もある。
特に私立の中高一貫校は、一度入学したら6年間の集団生活を送ることになるため、学校側が「他の生徒に悪影響を及ぼす子は合格させない」と神経質になるのも無理はない。
今回、大学入学共通テストの試験監督がトイレ個室内まで受験生に帯同した事案が問題となったが、大学入試センターによると、監督者がトイレに付き添うのは入り口までとマニュアルで定めている。
矢萩氏も、「トイレの個室に立ち入るのはさすがに行き過ぎ」とみる。
「かつてのカンニングは試験内容に山を張る運や予測力が必要でしたが、スマホが普及した今はネット環境に接続できれば好き放題できてしまう。