フジ「日枝氏が辞任」でも"CMは戻ってこない"深刻 スポンサーは辞任を求めているわけではない?

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年配の方は、1980年代にフジテレビの大人気バラエティ番組「オレたちひょうきん族」に日枝氏が登場したことを覚えているかもしれないし、2005年のライブドアのニッポン放送買収騒動の際にホリエモンこと堀江貴文氏に対峙する(オールドメディアの)経営者としてメディアに出てきたのを覚えているかもしれない。

ただ、一般人の日枝氏へのイメージはその程度ではないかと思う。

ビジネスパーソンはもう少し具体的なイメージを持っているかもしれないし、「フジサンケイグループの独裁者」「オールドメディアの老害」といったマイナスイメージを持っている人もいるだろう。だからといって、日々のビジネスに大きな影響を受けない限り、さほど興味もない――というのが実態ではなかったか。

10時間以上におよんだフジテレビの「やり直し記者会見」の意義は疑問が持たれているが、いくつか成果はあったというのも紛れもない事実だ。

経営者の辞任・就任と、第三者委員の立ち上げという具体的な動きがあったことに加えて、日枝体制と、その問題を世の中に知らしめたという効果もあった。

フジテレビ
長時間におよぶ会見で疲れを見せる港浩一社長(左)と嘉納修治会長。ともに役職は当時(撮影:梅谷秀司)

フジテレビの「復活への道筋」

3月末に第三者委員会の調査報告が発表され、経営陣が刷新され、社内だけでなく、社外からも経営者が招聘され、若手や女性が取締役に就任する。社内組織も改革され、通報窓口の稼働など、ハラスメント行為を防止する体制が整い、望まない会食への参加も求められなくなり――といった好ましい動きが確認されること。

さらに、それが世の中に広く知らしめられて、視聴者もスポンサー企業も「フジテレビは根本的に変わった」と見なされれば、CM再開の動きは本格化するだろう。

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