フジ「日枝氏が辞任」でも"CMは戻ってこない"深刻 スポンサーは辞任を求めているわけではない?

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現在のフジテレビのCMをめぐる状況は、過去に例のない「前代未聞の事態」であり、人によって認識、見解も異なっているのが実際のところだ。ただし、共通している見解も少なからず見られる。

現時点でのヒアリングの成果を踏まえると、フジテレビにスポンサーが戻ってくる条件は、下記の3点がポイントになりそうだ。

1. フジテレビが人権に配慮した企業に生まれ変わること
2. (1を)広く視聴者が認識・理解をすること
3. 他のスポンサー(広告主)のCM再開の動きがあること

この3点に日枝氏の去就がどのように影響してくるのか?

フジテレビ復活の糸口をつかむためには、まずはそこを読み解く必要がある。

フジテレビが変わるだけでは不十分

このたびの問題は、タレントの中居正広氏の女性トラブルが引き金となっている。そこに、フジテレビ社員のA氏が関与していたことから、個人間のトラブルに限らない、「フジテレビの問題」としてとらえられるようになった。

その後に、週刊誌で報道されていた、トラブル当日のA氏の直接的な関与は否定され、週刊誌も報道内容を訂正するに至っている。

週刊文春
記事の訂正について、『週刊文春』編集長が発表した声明の一部(画像:「文春オンライン」より)

中居氏と女性との間に起きたトラブルの内容が不明の中、上記のような一連の流れが混乱を助長し、人々は「一体何が問題なのだろう?」と疑問に思っているのが現状だろう。

個々の事象の事実関係はさておき、フジテレビは「人権意識に欠けた企業」であり、1度目の記者会見を見るに同社がそれを是正する意向もない――というふうにとらえられたのだ。ここからスポンサー各社のCM放映見合わせの雪崩現象が起きる。

2回目のやり直し会見を経ても、トラブル当日の社員A氏の直接関与がなかったことが明らかになっても、CM再開の動きが起こらないのは、上記1の「フジテレビが人権に配慮した企業に生まれ変わること」ができていないからだ。

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