「原因不明」の危うさ--東証がシステム障害でまたも大失態


 売買停止となった東証241銘柄の中には日立製作所や三菱電機、ソニー、イオン、第一生命保険、三菱地所、東京電力、東京ガスなど日経平均株価採用(全225銘柄)の銘柄も20社含まれ、日本経済新聞社は該当銘柄の前日終値を使って平均株価を算出せざるを得なかった。つまり、2日前場の終値は本当の相場の需給を反映していない。また、寄り付き前に出された注文は前場に執行されず、投資家は投資機会を喪失した。その影響は測定が難しいが、すべて東証側の責任であることは間違いない。東証には2日の大引けまでに150件を超える問い合わせや苦情が寄せられており、中には損害賠償を求める投資家もいたという。

最大の問題と思われるのは、今回のトラブルは今のところ「原因の詳細が不明」であることだ。情報配信システムは過去にも半年に1回程度、CPUやメモリーなどのハードの故障でトラブルが発生していたが、待機サーバへの自動切り替えが作動して問題は表面化しなかった。

しかし今回は、サーバのトラブルの原因が不明なのに加え、自動切り替えに失敗した原因についても不明という。会見した東証の最高情報責任者(CIO)の鈴木義伯専務は、「ハード単発の障害というより、複合的な障害かもしれないという感じも持っている」と語った。複合的というのは、ハードの故障や設計の問題だけではなく、運用面の問題も含め、あらゆる可能性が考えられるということを意味し、不気味な印象さえ与える。なお、サーバの開発ベンダーは富士通であり、今回のトラブル対応においても東証と富士通のスタッフなど100人程度で当たったという。

「原因不明」というのが、複雑化したシステムにおいては最も危うい。もし、株式市場の取引中に同様のトラブルが発生したらどうなるのか。強制切り替え処理は数分間で済むと会見で説明したが、トラブル判明から正常化までの間は売買停止がやむを得ないのではないか。万一、サーバが同時多発的にトラブルを起こしたらどうなるか。「原因不明」は早急に解消し、再発防止策を取る必要がある。

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