「原因不明」の危うさ--東証がシステム障害でまたも大失態

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 会見で東証はニューヨーク証券取引所では昨年だけで4回の売買停止を伴うトラブルが発生し、「海外でもこういうことが起きている」と指摘した。しかし、世界最大・最強のニューヨーク市場と比べるならば、東証はせめてシステム面で何倍、何十倍もの信頼性がなければ競争はできないと自覚すべきだろう。中身(上場企業など)の質低下が著しいだけでなく、システムまで不安となれば、東証の国際競争力はさらに大きく低下するおそれが強い。

東証は競争力強化を謳い、大証との経営統合も控えている。その最大イベントはシステム統合にほかならない。システム統合してこそ最大の合理化効果が得られる。今のままで統合はできるのか。今回のトラブルは、東証の”結婚適齢期”を疑わせる事件ともいえる。

(中村 稔 =東洋経済オンライン)

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