少し時間をさかのぼって2024年度全体を眺めてみると、2024年の暮れ、12月22日に開通した「阿寒IC~釧路西IC(17.0km)」は、区間が少し長いだけでなく、札幌・千歳方面と道東の拠点都市である釧路を高速道路で結んだことで、道内はもちろんのこと、一部のメディアでは全国ニュースでも報道された。
すでに開通していた「釧路西IC~釧路別保IC」を介して、釧路市街地を経由せず、厚岸・根室方面に自動車専用道が通じたことも、ニュースバリューを高めた要因だろう。
さらに、2025年度の開通予定も、すでに公表されている。2024年度にも開通区間があった東海環状道と山陰道も、さらに延伸が予定されているし、北へ北へと路線を伸ばしている道央道が音威子府ICから先、中川ICまでさらに北進する予定だ。
そのほか、本州最北端の下北半島でも、「横浜IC~横浜吹越IC(7.0km)」「むつ東通IC~むつ奥内IC(5.3km)」の、あわせて10kmを超える高規格道路の新規延長予定がある。
外環、新東名、新名神は遅れ気味
一方で、多くの人が開通を待ち望んでいる“大物”の未開通区間は、今年度も見通しが立っていない。
東京23区の西縁を南北につなぐ外環道の未開通区間のうち、関越道とのジャンクションと東名高速とのジャンクションの間も、調布市の工事区間で陥没が起きて工事が中断したこともあり、開通の見込みは見えてこない。
また、新東名高速道路の未開通区間である「新秦野IC~新御殿場IC」も、工事は続いているもののトンネルなどで難工事の様相を呈しており、2027年度の開通を目指しているが予断を許さない状況だ。
もともと2020年開催の東京五輪(実際の開催はコロナ禍の影響で2021年)前の開通が計画されていたことを思い起こせば、かなりの遅れである。
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