サウジアラビアへのアクセスは、それほど悪くない。直行便こそないが、中東のハブ空港で日本からのフライトが多いカタール・ドーハやアラブ首長国連邦・ドバイなどから、1時間半ほどで首都リヤドに到着する。
筆者は、ドーハ・ハマド国際空港経由で、暮れも押し迫った昨年12月末、砂漠の真ん中に突如、近代都市が現れたようなリヤド国際空港に到着した。
夏は40度を超える酷暑地帯だが、冬は気温20度ほどと快適で、冬は汗をかくこともなく街を歩ける。空港から町の中心部までは、片側5~6車線もあるハイウェイが続いていた。
リヤドは、人口およそ750万人。カイロやテヘランと並ぶ、中東のビッグシティだ。砂漠のオアシスに建設された街で、中心部はおおむね碁盤目状に道路が整備されている。
女性の運転免許解禁は2018年
主要な道路の幅は驚くほど広く、しかも交差点は立体交差やジャンクション風になっているところが多いため、信号があまり見当たらない。ところどころに、かなり高い高層ビルがそびえ、一方で中東らしい白壁を基調とした伝統的な家並みも残る。
走るクルマで目立つのは、韓国車。それに中国ブランドのクルマも交じる。トヨタなどの日本メーカー車もそこそこ見るが、目立つのはピックアップトラックのような商用車だ。荷台の後ろに、TOYOTA、NISSANといったロゴが大きく書かれているので、目につくのである。
サウジアラビアのクルマ事情で特筆しておかなければならないのは、女性が運転免許を取れるようになったのが2018年と、まだ最近であることだ。
サウジアラビアは完全なクルマ社会で、自動車の普及率がきわめて高い。では、女性はこれまでどうしていたのか。一般家庭でも女性が外出しやすいよう、運転手を雇う家庭が少なくないとのことである。免許の解禁は、女性の社会進出の機運に押されたこともあろう。
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