「せっかくいい社内制度があるのに…」「なぜ、社員の行動につながらない?」生産性が全然上がらない"残念な組織"は「カルチャーへの投資」が不十分だ!「人的資本経営」の専門家が指摘する"2つの大事なポイント"は?

「個人やチーム間の結びつき」とは、端的にいえば「高い心理的安全性」によってつながっている・まとまっている人間関係のことです(写真:kikuo/PIXTA)
国内外5000社以上の人的資本開示情報をすべて読み込み、「人的資本経営専門家」として活躍する田中弦氏。
その田中氏が、「人的資本経営」について、「いつ」「どこで」「誰が」「何を」すればいいのか、全ノウハウを解説した新刊『5000の事例から導き出した 「人的資本経営大全」ー日本企業最後の伸びしろ』が発売された。
「健全な組織カルチャー」を作るポイントについて、田中氏に解説してもらう。
「健全な組織カルチャー」が「壁」を壊す
人的資本経営の話をすると、「どういう制度やKPIを作れば、社員がアクションを起こすようになるか」といった相談を、よく受けます。
しかし実際には、制度を設けただけ、KPIを設定しただけで、社員が自発的にアクション(行動)を起こすようになるのは、まれです。
制度とアクションの間には「壁」があります。
また、仮にある社員がアクションを起こして「知恵」や「ノウハウ」を得たとしても、それを「みんなの知恵やノウハウに転換する」ところにも「壁」があります。
部署ごとや会社全体で共有できるマニュアルはその典型例ですが、マニュアルがあれば大丈夫かというと、あまり活用されていないこともよくあります。それが具体的な「壁」です。
では、これらの「壁」を打破する方法はないのでしょうか?
それこそが「健全な組織カルチャー」です。
「健全な組織カルチャー」は、「制度」を社員の「アクション」に結びつける「懸け橋」になります。
では、どうすれば「健全な組織カルチャー」を形成できるのか。
必須要素が2つあると私は考えています。
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