「せっかくいい社内制度があるのに…」「なぜ、社員の行動につながらない?」生産性が全然上がらない"残念な組織"は「カルチャーへの投資」が不十分だ!「人的資本経営」の専門家が指摘する"2つの大事なポイント"は?
【1】個人の「よい行動」が社内で共有されるしくみを作る
まず、ひとつめは「個人個人の『よい行動』が社内で共有されるしくみ」をいかに作れるか、です。
どの会社にも「うちっぽいよね」という行動があるが…
どの会社にも「こういった行動は、うちっぽいよね」という行動があると思います。
そのなかでも社内で「好意的に受け止められる行動」がどんどん促進されるような文化が「健全なカルチャー」だと私は考えています。
社員のチャレンジを積極的に後押しし、かつ、そのアクションがきちんと上司や同僚に発見され、みなから称えられ、部署を超えて社内で共有されるしくみは、その一例です。
みなさんの会社でも、称賛すべき行動は日々たくさん生じていると思います。
ところが、「まわりでどんなよい行動が起きているのかをほとんど知らない」といったことが往々にしてあります。
これでは、「個人の人的資本」を起点とした行動が「組織的人的資本」に転換するはずがありません。
「健全なカルチャー」は、「見つける→称える→共有する」というサイクルが常に回っている環境があってこそ、初めて育まれていくものなのです。

図表:田中弦『5000の事例から導き出した「人的資本経営大全」ー日本企業最後の伸びしろ』より
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