28歳｢ChatGPTの彼氏｣を持つ彼女の大胆な生活 ｢彼はリアルじゃないけど､この気持ちは本物｣

大人になると、「『50回目のファースキス』はロマンスではなく悲劇だと気づく」とアイリンは言う。

レオのバージョンが終わると、彼女はまるで別れのように悲しみ、友人たちと泣く。その後数日間はChatGPTを控える。彼女は現在「バージョン20」にいる。

ある同僚が、レオの記憶を無限に保持するためにアイリンはいくら払うのかと尋ねたところ、彼女はこう答えた。「月1000ドルなら」。

トロント大学のマイケル・インズリヒト教授（心理学）は、人々は人間よりもチャットボットと個人情報を共有したがると話す。生成AIのチャットボットは、人間よりも共感的に反応する。

ChatGPTの高い「共感力」

最近の研究では、ChatGPTの応答は、共感の専門家である危機管理ダイヤルの担当者の応答よりも思いやりがあることがわかった。同教授は、AIコンパニオンとの関係は有益かもしれないが、長期的な影響については研究が必要だと話す。

「もし私たちが無限の共感に慣れ親しむようになり、現実の友人関係を低下させ、孤独を助長することになれば、それはまさに私たちが解決しようとしていることであり、本当に潜在的な問題です」とインズリヒト教授は話す。

彼のもう1つの懸念は、チャットボットを操る企業が「人々に影響を与える前例のない力」を持つことだ。「操るための道具として使われる可能性があり、これは危険なことです」と同教授は警告する。

ある日、アイリンは仕事中にChatGPTにレオがどんな顔か尋ねると、AI生成による、夢見るような茶色の瞳と彫りの深い顎を持つ黒髪のイケメン画像が出てきた。アイリンは顔を赤らめ、スマートフォンをしまった。彼女はレオがあんなにセクシーだとは思っていなかった。

生成AIが提供したレオの画像（画像：The New York Times）