バレンタイン前にチョコ価格高騰が止まらぬ痛手 「カカオショック」店頭の高カカオ商品数は2割減

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チョコレートの値上がりや品薄がみられる中、バレンタインが迫っている。バレンタインは、チョコレートの販売が最も伸びる時期だ。

コロナ前の2019年には、月平均の販売金額が351億円だったのに対し、2月はおよそ1.5倍の538億円だった。コロナ禍の外出自粛を背景として、バレンタインに人と会ってチョコレートを贈る機会が減ったため、2月の販売金額は2020年から減少傾向にあり、2023年には2019年よりも12%減の476億円まで落ち込んだ。

月平均では2023年の販売金額は2019年よりも2%減にとどまっていることから、コロナ禍がバレンタインのチョコレート需要を縮小させていたことが見て取れる。

バレンタイン需要は回復しつつあるが…

ところが、2024年にコロナの5類移行後初のバレンタインを迎え、2月の販売金額は前年より4%増の496億円とバレンタイン需要に回復の兆しがみられた。バレンタインの時期に販売が伸びる傾向の強い板チョコレートについては、2月の販売金額が前年よりも20%増加している。バレンタインの時期に人と会う機会が増えたことに加えて、店頭での催事も増えたこともあったのだろう。

2025年も、コロナ禍で滞っていた人流が2024年に続いて戻りつつある。一方で実質賃金は伸び悩み、チョコレートに限らず物価高が続いているのが現状だ。高カカオタイプをはじめとするチョコレート商品の品薄も依然として解消していない。

カカオショックの影響で割高に感じ、チョコレート以外を贈る人が増える可能性もある。バレンタイン商戦ではカカオ使用量を抑えた商品を拡充しようという動きも見られる。今年のバレンタインからは目が離せそうにない。

木地 利光 市場アナリスト

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きじ としみつ / Toshimitsu Kiji

市場調査会社インテージの市場アナリスト。食品、飲料、雑貨など各種消費財のデータを分析し、新聞・雑誌・TVなど各種メディアに対して、取材対応や情報提供を実施。メディア掲載は、年間100件を超える。

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